Accuphase


フル・ディジタル処理の

マルチチャンネル・ディバイダー


デジタル・チャンネル・ディバイダー
「DF-65」

希望小売価格:935,000円(税込)

生産完了




DF-65は、4チャンネル(4Way)を 標準仕様、
高速・高精度 40bit浮動小数点演算タイプの DSPを搭載して、
演算誤差の少ない 高次のフィルター特性を達成しました。


アナログ信号への変換は、 ESSテクノロジー社製
高性能 <ハイパーストリームDAC:ES9018S>を
4回路並列駆動して、 画期的にノイズを減少させています。



またモノフォニック・モードを設け、
更なるS/N比の改善を可能にしました。


デジタル・アナログ入力端子を 標準装備、
0.5cm刻みに調整できる タイム・アライメント、
信号の遅延を自動補正する ディレイ・コンペイセーター、
復帰可能なシステム・バックアップなど 多彩な機能を搭載、


より高次元のシステムを構成することが可能となり、
オーディオの究極といわれる マルチチャンネル・システムの
楽しみを満喫できる製品となっております。





主な特長



 中枢部のデジタル・フィルターに、
仮数部32ビット、指数部8ビットの 高速浮動小数点演算タイプDSPを持つことにより、 小さな値でも誤差を最小限にすることができます。



高速浮動小数点演算DSPを用いることにより、
ダイナミック・レンジが 格段に拡がって、演算誤差を小さくすることが可能となり、 48dB/octaveという急峻なフィルターを
31.5Hz〜22.4kHzのクロスオーバー周波数まで実現することができ、 同時に位相、ディレイ機能、レベル・コントロールなど、 全てをデジタル処理します。


これにより、温度変化・経年変化が無い超高精度フィルターを実現しています。

 





  フィルターの周波数ポイントは、31.5Hz〜22.4kHzの間を ほぼ1/6オクターブ間隔(ISO規格)の数列(56ポイント)を採用しています。

そのほかに、10、20、290Hzを設けて、
合計59ポイントで、ほとんどの周波数をカバーしています。


 10、20Hzは、超低域ノイズをカットする サブソニック・フィルターとして使用することができます。

各ディバイダー・ユニットは、低域側/高域側のカットオフ周波数を自由に設定し、 それぞれのユニットで、 ローパス・フィルター、バンドパス・フィルター、ハイパス・フィルターを 構成することができます。


隣接する帯域で、交差する周波数やスロープ特性が自由に設定できますから、 クロスオーバー・ポイントでの音のつながりの選択肢が増え、自分自身の聴感 で決めることができ、理想のマルチアンプシステムを構築できます。





 フィルターの減衰特性は、 6dB/octave、12dB/octave、18dB/octave、24dB/octave、48dB/octave、 96dB/octaveと、
6種類を装備し、カットオフ周波数と同じく、 各ユニット内で独立して設定することができ、 多様な特性を実現します。


デジタル化により、 正確で高次のフィルターが可能になり、 特に96dB/octaveの減衰特性は、 スピーカー・ユニットに適した帯域だけの周波数が再生できるため、

隣接帯域からの音の混ざりもなく、 いままで体験できなかった新次元の マルチアンプ・システムを構築することができます。




各ディバイダー・ユニット内のLEVEL機能は、減衰量が正確で音質劣化の少ない デジタル・アッテネーターにより、 それぞれの帯域のレベルを +12.0dB〜-40.0dB(0.1dBステップ)の範囲でコントロールすることができます。


またENCODERノブを押しながら回すことにより、 1dBステップずつの調整が可能です。 このLEVEL機能は、左右独立して装備していますから、 各帯域のレベルを自在にコントロールすることができます。








スピーカーから出た音は、
空気中を約343.5m/sec(20℃)の速さで進みます。

これは、電気信号や光の速度と比較すると非常に遅く、
複数のスピーカー・ユニットを使用する場合、
リスニングポイントまでの到達時間に差が生じます。


マルチスピーカー・システムの場合、複数のスピーカー・ユニットの音源(振動板の前後位置)が異なるため、各ユニットから出た音は試聴ポイントに到達する時間も異なります。

このリスニングポイントまでの到達時間を合わせることを
タイム・アライメントと呼びます。



DF-65は、デジタル信号処理による電気的な遅延によって、リスニングポイントまでの到達時間差を調整することができるDELAY機能を装備しています。



通常ディレイは時間で表しますが、DF-65では分かりやすいように、遅延時間(秒)を音速から換算した距離(cm)で表示します。


具体的には、各スピーカー・ユニットの振動版の距離を測定し、
各ディバイダー・ユニットのDELAYに、その数値を設定します。


0.5cm刻みで最大3000cmまで各チャンネル及び、左右別々に設定することができます。


また、ENCODERノブを押しながら回すことにより、100cmステップずつの調整も可能です。






マルチアンプ・システムでは、各ユニットからの音が耳まで到達する時間がユニット間で異なります。
この音が遅延する要素として、次の2つが考えられます。


@物理的な要素:各ユニットの振動版の前後位置

A電気的な要素:信号がフィルター回路を通過するときに生じる遅延時間

(アナログ・デジタル回路を問わず、信号がフィルター回路を通過するとき、出力信号は必ず遅れを生じ、
ステップ応答やインパルス応答が遅れます。

遅延はフィルター回路の中で、ローパス・フィルターを通過する
ときに生じ、DF-65では、ローパス・フィルター通過時のみ補正します。

遅延時間は、フィルター回路の
周波数が低くなるほど、またフィルターの傾斜(スロープ)が鋭くなるほど大きくなります。)



振動版の前後位置はディレイ機能で補正できます。
電気的な要素の遅延を補正する機能がディレイ・コンペンセーター機能です。

この設定ON時には、遅延時間の計算結果を表示すると共に、遅延時間を自動的に補正します。

OFF時は、この計算結果を参考にして、ディレイ値をユーザーが自由に手動設定することができます。




各チャンネルの位相切替が、4パターン設定できます。

(Lch正相・Rch正相、Lch逆相・Rch逆相、Lch正相・Rch逆相、Lch逆相・Rch正相)


通常は左右同相で使用しますが、左右の位相を反転させると音の拡がりが変わり、スピーカーが正しく接続されているか否かが、はっきりとわかります。




チャンネルA〜Dの全設定機能を一括してメモリー1〜5に保存・呼び出しができます。


設定変更した機能や数値とメモリーした機能や数値を簡単に比較試聴することができます。


さらに電源を切断する直前の設定を保存するラスト・メモリーも装備しています。


各種設定の過程で以前の設定に戻したいときなどに備えて、
システム全体のバックアップと呼び出し機能を装備しました。



MDS方式は、刄ー(デルタ・シグマ)型D/Aコンバーターを複数個並列接続することで、大幅な性能改善を図った画期的なコンバーターです。

DF-65では、最新の
「ハイパーストリーム(TM)DAC」
ES9018S:ESSテクノロジー社製を
4回路並列動作させていますので、コンバーター1回路の場合に比較し、全体の性能は2倍に向上します。





本機で採用した「MDS++方式」は、MDS方式におけるD/Aコンバーターの電流出力信号を電圧出力に変換する「I/V」電流/電圧変換回路の動作を改良し、さらに電流加算と電圧加算を組み合わせた方式です。


この改良によって回路の安定度が向上し、より高い性能を発揮、音楽の静寂感と品位を一段と高めるとともに、緻密な音場描写を可能にしました。




DF-65では、ステレオ仕様の独立したディバイダー・ユニット 4個を標準装備しています。


通常は、各ディバイダー・ユニットをSTEREOポジションで使用しますが、出力モードをMONOポジションに変えて、モノフォニック仕様にすることができます。

モノフォニック時には、各ユニット内のLchとRch 2回路のDAC出力を加算して並列駆動(MCS回路を構成)が可能となり、さらに残留ノイズを低減することができます。





HS-LINKは、アキュフェーズ・オリジナルの高品位デジタル・インターフェイスです。

広範囲なデジタル・オーディオ信号の伝送に対応でき、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)方式により、
専用HS-LINKケーブル1本で伝送します。


また、HS-LINKは、送受信の相互認証を行いながら、データの伝送ができるセキュリティ機能を備えています。

DF-65では、サンプリング周波数と量子化ビット数を拡張し、
352.8kHz、384kHz/32bit 2ch PCMに対応した「HS-LINK Ver2」を搭載しました。
(DSDは非対応。)



アナログ入力回路は、サンプリング周波数176.4kHz、
分解能24bitの旭化成エレクトロニクス社製高精度A/Dコンバーター「AK5394」を装備していますので、アナログ入力の音楽情報を余すところ無くデジタル変換することが可能です。




中・高音域に高効率スピーカーを使用している場合、
残留ノイズが気になることがあります。


DF-65は、各ユニットで独立して残留ノイズを減衰させることができるアナログATT機能を設けました。


アナログATT ON時は、残留ノイズと共に信号も10dB減衰します。


このためLEVELの設定値によっては、高効率スピーカー以外で使用すると、出力信号が、ひずむ場合がありますので、通常はOFF設定で使用してください。



一般的なデジタル機器を接続した場合、レベルを下げる手段がありませんから、フル・レベルの信号がDF-65から出力され、スピーカーを破損するおそれがあります。


このため万一デジタル機器を接続した場合、大出力からスピーカーを保護するフル・レベル出力保護機能を装備しています。


アッテネーター(-40dB)が働き、スピーカーを保護します。


また、デジタル入力端子はボリューム機能の付いたボリュームデータ付きデジタル信号を伝送できるアキュフェーズ独自のデジタル入力を装備しています。


但し、DF-65へ伝送できるのは、
DG-58、DG-48、DC-330、DF-55の4機種です。



DF-65は、チャンネルA〜Dまで4ユニット(4Way)が標準装備です。


3Way以下で使用する場合には、使用しないユニットをOFF設定することもできます。



各チャンネル・ユニットとも、表示する文字の入力・編集が可能です。

97種類の文字・記号の中から8文字を組み合わせて、独自の文字入力・編集が可能です。



DF-65も入力端子群は、デジタル信号入力として、COAXIAL、OPTICAL、HS-LINK端子を装備し、アナログ信号に対しては、ライン入力、バランス入力端子を装備しています。


出力端子群は、もう1台のDF-65と接続して5Way以上を実現するためのHS-LINK端子をはじめ、パワーアンプと接続するLINE/BALANCED出力を装備しています。



帯域ごとにユニット化され、周波数やスロープの選択など多くの機能を、2つのノブで素早く的確に設定できるよう工夫された、シンプルで機能的なデザインです。


外装には、ヘアライン仕上げのトッププレートと
自然木本木目仕上げのサイドパネルにより、優美で洗練された雰囲気を醸し出しています。





DF-65保証特性 
[保証特性はJEITA測定法CP-2150に準ずる]
ディジタル入力

入力フォーマット
量子化ビット数:16〜24bit 2ch PCM
サンプリング周波数
OPTICAL:32kHz、44.1kHz、48kHz、88.2kHz、96kHz
COAXIAL:32kHz、44.1kHz、48kHz、88.2kHz、96kHz、176.4kHz、192kHz


デジタル入力レベル
COAXIAL 0.5Vp-p 75Ω
OPTICAL 光入力 -27〜 -15dBm 


HS-LINK
コネクター RJ-45(専用適合ケーブル)
Ver1
サンプリング周波数:32kHz、44.1kHz、48kHz、88.2kHz、96kHz、176.4kHz、192kHz
(各24bit 2ch PCM)

Ver2
サンプリング周波数:32kHz、44.1kHz、48kHz、88.2kHz、96kHz、176.4kHz、192kHz、352.8kHz、384kHz、
(各32bit 2ch PCM)
ただし352.8kHzと384kHzは、それぞれ
176.4kHzと192kHzに変換します。

アナログ入力
アナログ最大入力 3.7V(1kHz、2.5V 出力)
 A/Dコンバーター
   方式 :1bit刄ー変調
   サンプリング周波数 :176.4kHz
   量子ビット数 :24bit
ディジタル出力
HS-LINK (コネクター RJ-45)

周波数特性
2.0〜50,000Hz +0 −3dB

D/Aコンバーター
量子ビット数 : 32bit
STEREO時 4MDS++方式
MONO時 8MDS++方式

全高調波ひずみ率
0.0007% (20〜20,000Hz間)

S/N
  STEREO時 MONO時 
COAXIAL/OPTICAL 121dB 123dB
HS-LINK 121dB 123dB
アナログ入力 116dB 117dB
ダイナミックレンジ
118dB

チャンネル
セパレーション

108dB (20〜20,000Hz間)

カットオフ周波数
(Hz)

10、20、31.5、35.5、40、45、50、56、63、71、80、90、100、112、125、140、160、180、200、224、250、280、290、315、355、400、500、560、630、710、800、900、1000、1120、1250、1400、1600、1800、2000、2240、2500、2800、3150、3550、4000、5000、5600、6300、7100、8000、10k、11.2k、12.5k、14k、16k、18k、20k、22.4k


スロープ特性
6dB/octave、 12dB/octave、18dB/octave
24dB/octave、48dB/octave、96dB/octave

※但し、カットオフ周波数が 10 Hz のとき:48dB/octave、96dB/octave は設定できません。
20 Hz のとき:96dB/octave は設定できません。


ディレイ
(距離に換算)

0〜±3,000cm(0.5cmステップ)

レベル調整
『アナログATT』OFF時 −40dB〜+12.0dB(0.1dBステップ)
『アナログATT』ON時  −50dB〜+ 2.0dB(0.1dBステップ)

出力電圧・出力
インピーダンス

LINE :2.5V 50Ω RCAフォノジャック
BALANCED :2.5V 50Ω 平衡 XLRタイプ

最小負荷
インピーダンス

LINE / BALANCED 600Ω

電源
AC100V 50/60Hz

消費電力
31W

最大外形寸法
幅465mm 高さ151mm×奥行396mm

質量
15.1kg