SACD ハイブリッド

これぞ粋と洗練の極み!全盛期のカラヤンとベルリン・フィル
究極の<メリ・ウィドウ>、ついに全曲SACDハイブリッド化!

レハール
喜歌劇<メリー・ウィドウ>(全曲)
指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団


価格:6,500円(税込)
ESSG-90039/40[SACD Hybrid 2枚組]
DSD MASTERING
Super Audio CD層:2チャンネル・ステレオ[マルチなし]
CD層:ADD
美麗豪華・紙製デジパック・パッケージ使用

SOLD OUT!

エソテリックならではの妥協を排したSuper Audio CDハイブリッド盤!

 オリジナル・マスター・サウンドへの飽くことなきこだわりと、 Super Audio CDハイブリッド化による圧倒的な音質向上で話題沸騰中のエソテリックによるデッカとドイツ・グラモフォンの名盤復刻シリーズ。発売以来LP時代を通じて決定的名盤と評価され、 CD時代になった現代にいたるまで、カタログから消えたことのない名盤を高音質マスターから DSDマスタリングし、初のSuper Audio CDハイブリッド化を実現しています。

 今回は1970年代にドイツ・グラモフォンがそのクラシック専門レーベルとしての威信をかけて世に問うたオペレッタの名盤です。ステージの細部にいたるまで、美しい響きのなかで浮き立つ歌手陣とオーケストラ。空気感や気配感まで感じさせる贅沢なサウンドステージが魅力です。

 《メリー・ウィドウ》は世界初のリマスタリングです。


カラヤン&ベルリン・フィルとの絶頂期に録音された《メリー・ウィドウ》
 一昨年から生誕100年、没後10年と記念イヤーを迎え、さまざまな角度で再評価が進められているヘルベルト・フォン・カラヤン(1908〜1989)。レコード録音に対して終生変わらぬ情熱を持って取り組んだパイオニア的存在であり、残された録音もSP時代からデジタル録音まで、膨大な量にのぼります。その中でも、ベルリン・フィルとの結び付きがいよいよ強固なものとなり、続々と水準の高い録音が行われた1970年代は、カラヤンの録音歴の中でも一つの頂点を築いた時代といえます。すでにこのシリーズでSuper Audio CDハイブリット化したシェーンベルクの《浄夜》ほかの「新ウィーン楽派作品集」(エソテリック ESSG-90017)同様、 1973年に発売されたこの《メリー・ウィドウ》全曲盤も、この時代の充実ぶりを刻印した名盤です。

ドイツ・グラモフォン初のオペレッタ録音
 《メリー・ウィドウ》は、実際のオペラ上演と録音を緊密にリンクさせていた当時のカラヤンとしては珍しく、オペラ上演とは無関係に純粋にレコード録音のみを目的として行われたセッションで収録されました(実際に舞台で取り上げた記録もない)。主役二人に当時ワーグナー歌手として頭角を現し始め、 70年のドレスデンでの《マイスタージンガー》録音でもワルター役を歌ったルネ・コロ、カラヤンの信頼を得て《ボエーム》全曲盤でもムゼッタを歌ったイギリス出身のハーウッドを起用、またストラータス、ケレメン(カラヤンの「指環」全曲でのアルベリヒ)、ホルヴェーク(ハイドン「四季」のテノール)、グローベ、クレンなどカラヤンお気に入りの旬の歌手を取りそろえ、名匠ハーゲン=グロル率いる強力なベルリン・ドイツ・オペラの合唱団を率いて、このオペレッタを究極の洗練美をもって描き上げています。通常のオペレッタ上演ではノリを優先してないがしろにされがちな歌唱やオーケストラ・パートの細部を緻密にリアライズすることで、カラヤン盤以前には見えてこなかったレハールの音楽の充実ぶりが明らかにされることになりました。名実ともに、創業以来オペレッタとは無縁だったドイツ・グラモフォン・レーベルにとってのオペレッタ初録音にふさわしい名盤として、発売以来高い評価を得ています。

最高の状態でのSuper Audio CDハイブリッド化が実現
 《メリー・ウィドウ》は、1972年から翌73年にかけて、イエス・キリスト教会で行われた7日間のセッションで全曲が収録されましたが、これは、1973年3月からフィルハーモニーへ録音会場を移すことになるカラヤン=ベルリン・フィルにとって、同教会での最後の録音の一つとなりました。ベルリンの閑静なダーレム地区にあるイエス・キリスト教会は、その優れた音響によって、第2次大戦後から放送や録音用に使用されるようになり、ドイツ・グラモフォンもフルトヴェングラーやフリッチャイの録音以後、幾多の名盤をこの教会で生み出してきました。ドイツ・グラモフォンの名トーンマイスターで、この教会の音響特性を知り尽くしたギュンター・ヘルマンスが収録を担当。各歌手の歌唱を明晰に収録しつつ、ベルリン・フィルの豊麗な響きをも余すところなく捉える手腕はヴェテランのヘルマンスならでは。なお台詞部分の演出は当時ハンブルク国立歌劇場のインテンダントをつとめていた名演出家アウグスト・エヴァーディングが担当しています。デジタル初期からCD化されている名演ですが、今回改めて高音質マスターからのDSDリマスタリングが施され、これまでにない鮮明かつ新鮮なサウンドで、洗練されたレハールの世界を味わうことが可能となりました。

「カラヤンがベルリン・フィルと描き出す豪華にして洒脱なレハールの世界」
 『めくるめくワルツのリズムにのせてくりひろげられる恋の駆け引き--カラヤンは洗練の限りを尽くして音楽に磨きをかけ、そのはてにほのかなメランコリーをただよわせて、聴くものをいつしか悦楽と陶酔へと誘う。』
(増田隆昭、『レコード芸術別冊・クラシック・レコード・ブックVOL.6オペラ&声楽曲編』1985年)

 『BPOの豊麗な音を、カラヤンならではの精妙な表現で生かしきった演奏は、まさに洗練の極致にある。特に、ヴァイオリンを中心とする弦の磨きぬかれた美しさは、溜め息が出るほどで、聴き手を甘美な陶酔に誘わずにはおかないだろう。すべての面で、DGがイエロー・レーベルで発売した最初のオペレッタにふさわしい極めつきの名盤というべきである。』
(歌崎和彦、『ONTOMO MOOK クラシック名盤大全・オペラ声楽曲編』2000年)

 『カラヤンがベルリン・フィルと録音した唯一のオペレッタ。オペレッタ演奏に習熟しているわけではない、このスーパー・オーケストラの重厚な響きを、カラヤンは巧みにコントロールして、豪華にして洒脱なレハールの世界を描き上げている。ドイツ語によるオペレッタの妙味を満喫できる一組だ。』
(國土潤一、『レコード芸術選定・クラシック不滅の名盤』2007年)



■収録曲
フランツ・レハール(1870-1948)
喜歌劇《メリー・ウィドウ》(全曲)

< 演 奏 >
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン

[配役]
・ ゾルタン・ケレメン (Br:ミルコ・ツェーダ男爵)
・ テレサ・ストラータス (S:ヴァランシエンヌ)
・ ルネ・コロ (T:ダニロ・ダニロヴィッチ伯爵)
・ エリザベス・ハーウッド (S:ハンナ・グラヴァリ)
・ ヴェルナー・ホルヴェーク (T:カミーユ・ロジョン)
・ ドナルド・グローベ (T:カスターダ伯爵)
・ ヴェルナー・クレン (T:サン・ブリオシュ)
・ カール・レナール (T:ニエグシュ)
・ カイヤ・ボリス (ロロ)
・ メヒトヒルト・ゲッセンドルフ (ドド)
・ カテリーネ・オット (ジュジュ)
・ キャロル・ブリチェット (フルフル)
・ マリア・Th・ライノーソ (クロクロ)
・ エルケ・グロースハンス (マルゴ)
・ エルンスト・クロコウスキー、カテリーネ・オット、マーティン・ヴァンティン、
マンフレート・レール、メルトヒルト・ヴェッセンドルフ、マリア・Th・ライノーツ
(以上、ポンテヴェドロ公使館の紳士・淑女)
・ ヘルガ・トリュムバー (ヴァランシエンヌ台詞)
・ ダイアローグ演出:アウグスト・エヴァーディング
・ ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団
・ 合唱指揮:ヴァルター・ハーゲン=グロル

[録音]
1972年2月15日、16日、11月2日、3日、12月1日、2日、
1973年1月10日、ベルリン、イエス・キリスト教会
[LP初出] 2707070(1973年)
[日本盤LP初出] MG9719〜20(1973年12月)
[オリジナルレコーディング/プロデューサー] ハンス・ヒルシュ
[オリジナルレコーディング/ディレクター] ハンス・ヴェーバー
[オリジナルレコーディング/エンジニア] ギュンター・ヘルマンス
[SACDプロデューサー] 大間知基彰(エソテリック株式会社)
[SACDディレクター] 石原一博(東京電化株式会社)
[SACDリマスタリング・エンジニア] 杉本一家
(ビクター・クリエイティブ・メディア、マスタリング・センター)
[SACDオーサリング] 藤田厚夫(有限会社エフ)
[編集総括] 高橋宏明(東京電化株式会社)
[解説] 黒田恭一
[対訳] 渡辺 護
[デザイン] 野村晴彦
[企画協力] 東京電化株式会社
[企画/販売] エソテリック株式会社