SACD ハイブリッド

1995年大晦日のベルリンを沸かせた
躍動感あふれるメンデルスゾーン・ナイト!

 

メンデルスゾーン
劇音楽「夏の夜の夢」(抜粋)
&交響曲第4番「イタリア」
(ベルリン・フィル ジルヴェスター・コンサート1995)
クラウディオ・アバド(指揮)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 


価格:3,143円(税別)
ESSS-90066[SACD Hybrid]
DSD MASTERING
Super Audio CD層:2チャンネル・ステレオ[マルチなし]
美麗豪華・紙製デジパック・パッケージ使用


SOLD OUT!

 

エソテリックならではのこだわりのSA-CDハイブリッド・ソフト  

 オリジナル・マスター・サウンドへの飽くことなきこだわりと、Super Audio CDハイブリッド化による圧倒的な音質向上で話題沸騰中のエソテリックによる名盤復刻シリーズ。今回はCD時代に生まれた新しい世代の名盤をオリジナル・マスターからリマスタリングし、世界初のSuper Audio CDハイブリッド化を実現しました。
 


アバドとベルリン・フィルの蜜月ぶりを刻み込んだ名演  
 
 1990年、ヘルベルト・フォン・カラヤンの後を継いでベルリン・フィルの芸術監督となったクラウディオ・アバド(1933年生まれ)。アバドは、2002年までの12年間にわたる在任期間中に、ベルリン・フィルを、カラヤン時代にはなかった透明感のあるサウンドを持ち、バロックから同時代作品にいたる多様な音楽に柔軟に対応できる機能的なアンサンブルへと鮮やかに脱皮させました。ドイツ・グラモフォンとソニー・クラシカルに残されたこのコンビによる数多くのレコーディングは、いずれも20世紀末のオーケストラ芸術の精髄ともいうべき高い水準を誇っていますが、その中でも演奏・録音ともにベスト10にランクされるべき1995年のメンデルスゾーン・アルバムをSuper Audio CDハイブリッド化いたしました。


1995年のジルヴェスター・コンサートのライヴ・レコーディング    
 
 毎年大晦日に行われるベルリン・フィルのジルヴェスター・コンサートは、1948年に創始されたもので、ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートと並んで、ヨーロッパ・クラシック界の名物演奏会と位置付けられるようになりました。もともとポピュラーな小品や有名曲をメインにプログラムが組まれていましたが、アバドが芸術監督に就任してからは、毎年一つのテーマに沿って選曲が行われるようになりました。1995年は、アバド就任後5度目のジルヴェスター・コンサートに当たり、メンデルスゾーンの中でも最も色彩感あふれる劇付随音楽「夏の夜の夢」と、「イタリア」の題名で知られ、明るく躍動感に満ちた交響曲第4番という代表作2曲でプログラムが組まれました。もともとアバドは、その活動の初期からメンデルスゾーンの作品には定評があり、1967年にはロンドン交響楽団を指揮して交響曲第3番「スコットランド」と第4番「イタリア」を英デッカに録音し、その若武者ぶりを刻印。さらに1984〜85年にはドイツ・グラモフォンに交響曲全集・序曲集を録音しており、こちらはアバドの代表的名盤としてのみならず、「メンデルスゾーン演奏の指標」として高く評価されています。そんなアバドがベルリン・フィルと組んだメンデルスゾーンは、これらの作品の理想的な表現ともいうべき洗練と優雅さ、ダイナミック・レンジの幅広さ、豊かな色彩感、そして力感あふれる表現力が、極限の水準で成し遂げられています。


最高の状態でのSuper Audio CDハイブリッド化が実現
 
 メンデルスゾーンのオーケストレーションは基本的には2管編成ですが、「夏の夜の夢」にはソプラノとメッゾ・ソプラノ独唱、女声合唱が随所に加わります。またこのアバドの演奏では、シェークスピアの台本の一部が女優によって語られています。ベルリン・フィルの本拠地フィルハーモニーの広大な空間に響きわたるメンデルスゾーンのオーケストレーションの妙が、一発録りのライヴとは思えないような高い水準で見事に収録されている名録音といえるでしょう。今回のSuper Audio CDハイブリッド化にあたっては、これまでのエソテリック企画同様、使用するマスターテープの選定から、最終的なDSDマスタリングの行程に至るまで、妥協を排した作業が行われています。特にDSDマスタリングにあたっては、DAコンバーターとルビジウムクロックジェネレーターとに、入念に調整されたエソテリック・ブランドの最高級機材を投入、また同社のMEXCELケーブルを惜しげもなく使用することで、オリジナル・マスターの持つ情報を余すところなくディスク化することができました。
 

「これほど官能的で、輝かしく、色彩豊かな演奏にお目にかかったことはない」

 『メンデルスゾーンの若々しいロマン性はアバドにもともとぴったりしている。影のない明快な表現が、その影のなさが魅力となるように響く。何もかも光に満ちていて、確かにこれは“イタリア”なんだと納得してしまう。キャリア初期にロンドン交響楽団を指揮したのも素晴らしかったけれど、95年ジルヴェスター・コンサートでのライヴは、さらに上をいっている。ベルリン・フィルの響きが充実しているし、ほとんど気分の赴くままに遊んでいるような、自由な雰囲気が、この曲を完全に手中に収めたアバドによって、見事に実現されているからだ。』

(堀内修、『レコード芸術別冊・クラシック名盤大全 交響曲編』1998 年)


 『これほど官能的で、輝かしく、色彩豊かな演奏にお目にかかったことはない。17歳の時に書かれた〈序曲〉のみずみずしさと、それから17年後に書かれた残りの部分とが何の違和感もなく共存している。なかでもヴィルトゥオジティが光る〈スケルツォ〉や抒情に満ちた〈夜想曲〉、輝かしい〈結婚行進曲〉など、全編が聴き所といえる。メンデルスゾーンの魅力が生き生きと伝わってくる演奏である。』

(井上さつき、『レコード芸術別冊・クラシック名盤大全 管弦楽曲編』1998年)

     





■収録曲  
フェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ
劇音楽「夏の夜の夢」(抜粋)
1. 序曲 作品21: アレグロ・ディ・モルト
2. 第1番 スケルツォ: アレグロ・ヴィヴァーチェ
3. 第2番 メロドラマ: リステーソ・テンポ
「おおい妖精くん、どこへ行くんだい」
4. 妖精たちの行進曲: アレグロ・ヴィヴァーチェ
「月夜に面白くない出会いだな」
5. 第3番 合唱つきの歌: アレグロ・マ・ノン・トロッポ
「さあ、輪になって」
6. 第4番: アンダンテ
「目覚めたときに何が見えようと」
7. 第5番 間奏曲: アレグロ・アパッショナート
「おまえときたら」
8. 第7番 夜想曲: コン・モート・トランクィーロ
9. 第8番: アンダンテ
10. 第9番 結婚行進曲: アレグロ・ヴィヴァーチェ
11. フィナーレ: アレグロ・ディ・モルト
「弱った炎の傍らに」
交響曲第4番イ長調作品90「イタリア」
12. 第1楽章: アレグロ・ヴィヴァーチェ
13. 第2楽章: アンダンテ・コン・モート
14. 第3楽章: コン・モト・モデラート
15. 第4楽章: サルタレッロ:プレスト


演奏
指揮:クラウディオ・アバド
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
バーバラ・スコーヴァ(語り)[1-11]
シルヴィア・マクネアー(ソプラノ、第1の妖精[1-11])
アンゲリカ・キルヒシュラーガー
(ソプラノ、第2の妖精[1-11])
エルンスト・ゼンフ合唱団の女声合唱
(合唱指揮:ジーグルト・ブラウンス)[1-11]

[録音] 1995年12月31日、ベルリン、フィルハーモニー
[初出]SK62600(1996年3月)
[日本盤初出] SRCR-1620 (1996年6月)
[オリジナルレコーディング/プロデューサー] パウリーネ・ハイスター
[オリジナルレコーディング/エンジニア] ウルリヒ・シュナイダー
[オリジナルレコーディング/テクニシャン] オラフ・シュメルツァー
[SACDプロデューサー] 大間知基彰(エソテリック株式会社)
[SACDリマスタリング・エンジニア] 杉本一家
(ビクタークリエイティブメディア株式会社 マスタリングセンター)
[SACDオーサリング] 藤田厚夫(有限会社エフ)
[解説] 諸石幸生 他
[企画協力] 東京電化株式会社
[企画/販売] エソテリック株式会社