SACD ハイブリッド

満場のシカゴ・オーケストラホールに
マーラー青春のドラマを鳴り響かせた
テンシュテットの超絶的名演!

 

マーラー:交響曲 第1番「巨人」

クラウス・テンシュテット(指揮)
シカゴ交響楽団


価格:3,143円(税別)
ESSE-90068[SACD Hybrid]
DSD MASTERING
Super Audio CD層:2チャンネル・ステレオ[マルチなし]
美麗豪華・紙製デジパック・パッケージ使用


SOLD OUT!

 

エソテリックならではのこだわりのSA-CDハイブリッド・ソフト  

 オリジナル・マスター・サウンドへの飽くことなきこだわりと、Super Audio CDハイブリッド化による圧倒的な音質向上で話題沸騰中のエソテリックによる名盤復刻シリーズ。今回はCD時代に生まれた新しい世代の名盤をオリジナル・マスターからリマスタリングし、世界初のSuper Audio CDハイブリッド化を実現しました。
 


20世紀末に登場した最後のロマン派指揮者、クラウス・テンシュテット  
 
 1974年12月、ボストン交響楽団でブルックナーの交響曲第8番を指揮した一人のドイツ人指揮者は、「生涯に一度の感動」と絶賛され、一夜にして世界的な巨匠の仲間入りを果たしました。それまで西側ではほとんど名を知られていなかったこのドイツ人指揮者こそ、クラウス・テンシュテット。1926年、ドイツのメルゼブルクに生まれ、ライプツィヒ音楽院でヴァイオリンを学び、戦後東ドイツのハレ歌劇場のコンサートマスターに就任。指の故障のため1952年に同歌劇場の首席指揮者に転じ、以後東ドイツの地方歌劇場の音楽監督を歴任したのち、1971年に西ドイツに亡命、1972年からはキール歌劇場をベースに西側での活動を開始し、1970年代後半からはその活動の範囲を徐々に広げ、1977年からは英EMIと録音契約を結び、そのロマンティシズム溢れる骨太の演奏が録音を通じても世界的に知られるようになりました。1979年からは北ドイツ放送交響楽団首席指揮者、1983年からはロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督に就任しています。  


20世紀最高のマーラー指揮者の一人    
 
 テンシュテットが何よりも絶賛されたのはそのマーラー演奏によってでした。アバドやレヴァイン、メータといった俊英たちが客観的な視点で新時代のマーラー解釈を打ち立てつつあった1970年代にあって、作品の聖霊にとりつかれたかのような熱い情感にあふれ、巨大な爆発力を秘めたドラマティックな演奏は、音楽ファンとオーケストラ双方に圧倒的な支持者を生み、ある楽員は「僕らはクラウスのためなら120%の力を出し切れる」とさえ明言したほどでした。EMIは1977年からテンシュテットとロンドン・フィルによるマーラーの交響曲全集の録音を開始し、ほぼ10年がかりで1986年に完成させ、バーンスタインらと並ぶ20世紀後半のマーラー解釈の礎となりました。1985年には喉頭がんであることが発覚、1987年にはロンドン・フィルの音楽監督を退き、客演指揮者として活動しましたが、1993年初頭の演奏会を最後に公開での演奏活動に終止符をうち、1998年に死去しました。 


最高にドラマチックな「巨人」
 
 今回SuperAudioCDハイブリッド化されるマーラーの交響曲第1番「巨人」は、ロンドン・フィルとの全集完成後にEMIがライヴ録音として発売した4曲のマーラー録音の一つで、1990年5月から6月にかけて、シカゴのオーケストラ・ホールにおけるシカゴ交響楽団の定期演奏会に客演した時に収録されました(同時に映像収録も行われています)。この頃はちょうど病魔と闘いながら、テンシュテットがさらにその音楽を深めていった時期にあたり、この演奏もそうした特徴を示しています。1977年のロンドン・フィルとの録音よりも全曲で約8分もテンポが遅くなり、そのじっくりとした構えの中で、マーラーが作品に込めたあらゆる楽想が徹底的に抉り尽くされていきます。極限まで遅くされた第1楽章の序奏部の緊迫感、第2楽章の上機嫌な足取り、深く沈潜する第3楽章、そして第4楽章における阿鼻叫喚のドラマ。そのテンシュテットの意図をショルティ時代末期にあったシカゴ交響楽団が最高の忠実度で具現化したさまがこれまた見事。ハーセスとクレヴェンジャーという伝説的奏者が率いるトランペットとホルン・パートの圧倒的な輝かしさはもちろんのこと、木管パートの多彩なニュアンスに富んだヴィルトゥオーゾぶり、そして弦楽パートの分厚い響きと、シカゴ響ならではのサウンドを聴かせてくれます。 
 

「最高の状態でのSuoer Audio CDハイブリッド化が実現」

 1904年に建立されたシカゴ響の本拠地シカゴのオーケストラ・ホール(席数2,566)は、古くはフリッツ・ライナー指揮によるリビング・ステレオの名録音を生み出したホールですが、EMIスタッフによる録音はおそらくこのテンシュテットのアルバムのみと思われます。どちらかというとデッドで空間の狭いオーケストラ・ホール、しかも聴衆の入ったライヴ録音という難しい条件の中で、テンシュテットとシカゴ響の名演が高い水準で見事に収録されている名録音といえるでしょう。今回のSuperAudioCDハイブリッド化にあたっては、これまでのエソテリック企画同様、使用するマスターテープの選定から、最終的なDSDマスタリングの行程に至るまで、妥協を排した作業が行われています。特にDSDマスタリングにあたっては、DAコンバーターとルビジウムクロックジェネレーターに、入念に調整されたエソテリック・ブランドの最高級機材を投入、また同社のMEXCELケーブルを惜しげもなく使用することで、オリジナル・マスターの持つ情報を余すところなくディスク化することができました。





■収録曲
グスタフ・マーラー
交響曲第 1 番ニ長調「巨人」

1: 第 1 楽章
ゆっくりと、ひきずるように~最初は非常にくつろいだ感じて

2: 第 2 楽章
力強く躍動して、ただし急ぎすぎないて

3: 第 3 楽章
厳粛にかつ荘重に、ひきずらないように

4: 第 4 楽章
嵐のように激動して


演奏
指揮:クラウス・テンシュテット
シカゴ交響楽団

[録音]
1990年5月31日~6月4日
シカゴ
オーケストラ・ホールでのデジタル・ライヴ・レコーディング

[初出]
CDC7542172(1991年)

[日本盤初出]
TOCE-7553(1991年12月11日)

[オリジナル/プロデューサー]
ジョン・フレイザー

[オリジナル/レコーディング・エンジニア]
マイケル・シェディ

[SACDプロデューサー]
大間知基彰(エソテリック株式会社)

[SACDリマスタリング・エンジニア]
杉本一家
(ビクタークリエイティブメディア株式会社 マスタリングセンター)

[SACDオーサリング]
藤田厚夫(有限会社エフ)

[解説]
諸石幸生 他

[企画協力]
東京電化株式会社

[企画/販売]
エソテリック株式会社