エソテリックならではのこだわりのSA-CDハイブリッド・ソフト
オリジナル・マスター・サウンドへの飽くことなきこだわりと、Super Audio CDハイブリッド化による圧倒的な音質向上で話題沸騰中のエソテリックによる名盤復刻シリーズ。今回はCD時代に生まれた新しい世代の名盤をオリジナル・マスターからリマスタリングし、世界初のSuper Audio CDハイブリッド化を実現しました。
■ロシアの天才ヴァイオリニスト、マキシム・ヴェンゲーロフ
1974年にロシア、ノヴォシビルスクに生まれたマキシム・ヴェンゲーロフは、早くからその天才ぶりを発揮し、名教師ザハール・ブロンの薫陶を受け、わずか10歳でポーランドのリピンスキ・ヴィエニヤフスキ国際コンクール・ジュニア部門で優勝。その後世界的な演奏活動を展開、完璧無類な技巧に裏付けられた華麗な演奏で世界的な評価を獲得しました。1990年にはテルデックと10年間にわたる専属契約を結び、リサイタル・アルバムのほか、メンデルスゾーン、ブルッフからニールセン、ショスタコーヴィチにいたるロマン派~20世紀の代表的な協奏曲13曲の録音を残しています(2000年にはEMIに移籍)。当アルバムは、ヴェンゲーロフにとってテルデックにおける通算4枚目の協奏曲録音となった、1995年収録のチャイコフスキーとグラズノフのヴァイオリン協奏曲2曲を収めたアルバムです。なおヴェンゲーロフは2007年に肩の故障に見舞われたため、指揮者・指導者として活躍していましたが、昨年からヴァイオリニストとしての活動も再開しています。10月には日本での演奏も予定されています。
■アバド/ベルリン・フィルとの唯一の共演盤
ヴェンゲーロフのテルデック時代の共演指揮者・オーケストラは、メータ/イスラエル・フィル、ロストロポーヴィチ/ロンドン響、マズア/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管およびニューヨーク・フィル、そしてバレンボイム/シカゴ響と綺羅星のごとき豪華さですが、その中でもクラウディオ・アバド/ベルリン・フィルとの唯一の共演録音となったこのチャイコフスキーとグラズノフのヴァイオリン協奏曲は、作品に要求される華麗な名技、広大なロシアの大地への郷愁、そして世紀末ロシア社会の濃密なロマンティシズムをすべて兼ね備えた類稀な名演です。なおアバドはアナログ時代にDGにウィーン・フィルを指揮してミルシテインとの共演で、さらにこのヴェンゲーロフとの共演のわずか3ヶ月後に、ソニー・クラシカルに同じベルリン・フィルを指揮して五嶋みどりとの共演で、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲をソニー・クラシカルに残していますが、グラズノフのヴァイオリン協奏曲はこのヴェンゲーロフとの共演盤以外は録音していません。
■「最高の状態でのSuoer Audio
CDハイブリッド化が実現」
録音はベルリン・フィルの本拠地ベルリン・フィルハーモニーで行われています。フィルハーモニーの大きな空間に広がる響きの中にくっきりと浮かび上がるヴェンゲーロフの華麗なソロの魅力をあますところなく捉えています。今回のSuperAudioCDハイブリッド化に当たっては、これまでのエソテリック企画同様、使用するマスターテープの選定から、最終的なDSDマスタリングの行程に至るまで、妥協を排した作業が行われています。特にDSDマスタリングにあたっては、DAコンバーターとルビジウムクロックジェネレーターに、入念に調整されたエソテリック・ブランドの最高級機材を投入、また同社のMEXCELケーブルを惜しげもなく使用することで、オリジナル・マスターの持つ情報を余すところなくディスク化することができました。
■収録曲
チャイコフスキー
ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35
1:
第1楽章 アレグロ・モデラート
2:
第2楽章 カンツォネッタ:アンダンテ
3:
第3楽章 アレグロ・ヴィヴァチッシモ
グラズノフ
ヴァイオリン協奏曲イ短調作品82
4:
第1楽章 モデラート
5: カデンツァ:アンダンテ・ソステヌート~テンポ・プリモ
6:
第2楽章 アレグロ
演奏
マキシム・ヴェンゲーロフ(ヴァイオリン)
指揮:クラウディオ・アバト
べルリン・フィルハーモニー管弦楽団
[録音]
1995年5月
ベルリン、フィルハーモニーでのデジタル・レコーディング
[初出]
4509-90881-2(1995年)
[日本盤初出]
WPCS-4709(1995年12月)
[オリジナル/エクゼクティヴ・プロデューサー]
マリアンネ・ケッへ
[オリジナル/プロデューサー]
フリードマン・エンゲルブレヒト
[SACDプロデューサー]
大間知基彰(エソテリック株式会社)
[SACDリマスタリング・エンジニア]
杉本一家
(ビクタークリエイティブメディア株式会社 マスタリングセンター)
[SACDオーサリング]
藤田厚夫(有限会社エフ)
[解説]
諸石幸生 他
[企画協力]
東京電化株式会社
[企画/販売]
エソテリック株式会社