エソテリックならではのこだわりのSACDハイブリッド・ソフト
オリジナル・マスター・サウンドへの飽くことなきこだわりと、Super Audio CD ハイブリッド化による圧倒的な音質向上で高い評価を得ているエソテリックによる名盤復刻シリーズ。定評のある名盤をオリジナル・マスターからリマスタリングし、世界初のSuper Audio CD ハイブリッド化を実現します。
■リッカルド・ムーティ畢生の名演
1941
年、ナポリ生まれのイタリアの名匠リッカルド・ムーティ。そのエネルギッシュな指揮ぶりと躍動感のある演奏で知られる名指揮者です。1967年、グイド・カンテルリ指揮者コンクールに優勝して注目され、フィレンツェ五月祭歌劇場、ニュー・フィルハーモニア管弦楽団、フィラデルフィア管弦楽団、ミラノ・スカラ座の首席指揮者・音楽監督を歴任、2010
年
からはシカゴ交響楽団音楽監督を務めるかたわら、ウィーン・フィルやザルツブルク音楽祭などに客演しています。録音にも積極的に取り組み、1970
年代にニュー・フィルハーモニア管弦楽団を指揮してEMI
に録音を開始して以来、さまざまなレーベルに数多くの名盤を残しています。
■ムーティ/ベルリン・フィルとの数少ない貴重な共演
ムーティはカラヤン時代からベルリン・フィルに登場していますが(デビューは1972
年)、共演の機会はウィーン・フィルと比べるとそれほど多くはなく、録音の数も限られています。その端緒となったのは、1982 年11
月に録音されたヴェルディの《聖歌四編》でした。その後、ベルリン・フィルとはブルックナーの交響曲第4 番・第6
番や、R.シュトラウスの交響詩《イタリアから》、ハイドンの《十字架上のキリストの最後の七つの言葉》などの名盤を残しています。
■
合唱が美しいムーティ唯一の「モツ・レク」
録音は今回Super Audio CD ハイブリッド化されるのは、1987
年に録音されたモーツァルトの《レクイエム》と《アヴェ・ヴェルム・コルプス》。ムーティはモーツァルトの解釈でも一家言をなし、細部まで有機的な血の通った人間味のあるモーツァルト演奏は高く評価されています。この《レクイエム》も、スタンダードなジュスマイヤー版を使い、オーケストラと合唱をたっぷりと響かせて、モーツァルト最晩年の未完の作品に盛り込まれた凄絶な音のドラマを描き出しています。
合唱団として共演しているのはスウェーデン放送合唱団とストックホルム室内合唱団で、ベルリン・フィルとの初録音となった《聖歌四編》での超絶的な名唱を高く評価されたことによって再び起用されたのでした。スウェーデンの「合唱の神様」として知られるエリック・エリクソンの薫陶を得たこの二つの合唱団の生み出す透明で混じりけのない響き、完璧なハーモニーと美しいディクションは、当盤随一の聴きどころといえるでしょう。パーチェ、マイヤー、ロパード、モリスという、1980
年代を代表する名歌手たちの充実の独唱も見事です。
■最高の状態でのSuper Audio
CD ハイブリッド化が実現
録音はベルリン・フィルの本拠地ベルリン・フィルハーモニーで行われました。フィルハーモニーの大きな空間に広がる響きの中に美しくブレンドするオーケストラと合唱の響きをスケール雄大にとらえた名録音です。今回のSuper
Audio CD ハイブリッド化に当たっては、これまでのエソテリック企画同様、使用するマスターテープの選定から、最終的なDSD
マスタリングの行程に至るまで、妥協を排した作業が行われています。特にDSD マスタリングにあたっては、DA
コンバーターとルビジウムクロックジェネレーターに、入念に調整されたエソテリック・ブランドの最高級機材を投入、また同社のMEXCEL
ケーブルを惜しげもなく使用することで、オリジナル・マスターの持つ情報を余すところなくディスク化することができました。

■収録曲
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756−1791)
レクイエム ニ短調 K.626 [ジュスマイヤー版]
1. 入祭文:永遠の休息
2. キリエ
3. 続唱:怒りの日
4. 不思議なラッパが
5. おそるべき大王よ
6. 思いたまえ
7. 呪われた者ども
8. 涙の日
9. 奉献唱:主イエズス
10. いけにえ
11. 聖なるかな
12. ほむべきかな
13. 神の子羊
14. 聖体拝領唱
15.アヴェ・ヴェルム・コルプス K.618
演奏
パトシリア・パーチェ(ソプラノ)
ヴァルトラウド・マイヤー(メゾ・ソプラノ)
フランク・ロパード(テノール)
ジェイムズ・モリス(バス)
スウェーデン放送合唱団
ストックホルム室内合唱団
(合唱指揮:エリック・エリクソン)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:リッカルド・ムーティ
[録音] 1987年 2月14日&15日、
ベルリン、フィルハーモニーでのデジタル・レコーディング
[初出] CDC 7 49640 2 (1988年 発売)
[日本盤初出] CE33-5219 (1988年 4月24日 発売)
オリジナル・レコーディング
[プロデューサー]ジェームズ・マリンソン
[バランス・エンジニア]ジョン・カーランダー
[Super
Audio CD プロデューサー]
大間知基彰(エソテリック株式会社)
[Super Audio CD リマスタリング・エンジニア]
杉本一家(ビクタークリエイティブメディア株式会社、マスタリングセンター)
[Super Audio CD オーサリング]藤田厚夫(有限会社エフ)
[解説]諸石幸生 小石忠男
[企画・販売]エソテリック株式会社