SACD ハイブリッド

エソテリックからマスターサウンドで鮮明によみがえる
JAZZ 黄金期のインパルス 6ベスト アルバム

 

impulse! 6 GREAT JAZZ
(6枚組BOX)
 
ジョン・コルトレーン/バラード
ソニー・ロリンズ/オン・インパルス
ロイ・ヘインズ/アウト・オブ・ジ・アフタヌーン
オリヴァー・ネルソン/ブルースの真実
カウント・ベイシー/カンサス・シティ・セヴン
ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン



価格:19,444円(税別)
ESSI-90133/38(6枚組)[SACD Hybrid]
DSD MASTERING
Super Audio CD層:2チャンネル・ステレオ[マルチなし]

美麗豪華・紙製デジパック・パッケージ使用

ESOTERIC/impulse! 透明ロゴ ステッカーシート付

大好評、販売中!



今回の6作品は、
1961年〜1965年というアナログ・ステレオ収録活性期に生み出された
名手ルディ・ヴァン・ゲルダー録音による
モダン・ジャズの歴史的名盤 6 タイトルの復刻です。

激動の時代、1960年代前半のジャズ・シーンを
しっかりと描写したレーベル、
それが「インパルス」です。

アメリカの大手ABC パラマウント傘下の
ジャズ専門レーベルとして1961 年「新しいジャズの波」と銘打って発足し、
60年代を嵐のように駆け抜けたジョン・コルトレーンをはじめとする
先鋭的な演奏にも積極的に関わり、それに加えて、
スーパースターと呼ばれる大御所のその時点での演奏
および新人の発掘にも尽力し、アメリカ国内におけるジャズの動向を
的確に捉えたレーベルとして確固たる地位を築きました。

ここで採り上げた6作品は、
レーベル開設当初の60年代前半のジャズを象徴するような
多彩な内容になっています。
コルトレーンこそ、彼が突き進んでいたアグレッシヴな演奏ではなく、
彼のもう一つの魅力的な側面であるバラード、
それを見事に歌い上げる演奏が収録されていますが、
それを含めすべて、音質的にも演奏的にも
素晴らしい評価を得た作品が並んでいます。



インパルスのルディ・ヴァン・ゲルダー録音

60年代前半、「インパルス」のレコーディングを担当したのが、
「ブルーノート」と同じルディ・ヴァン・ゲルダー。

放送関係の技術者が担当することが多かったレコーディングですが、
ヴァン・ゲルダーは50年代から専門的に行っていた数少ない人。

そうした彼の安定期に入った〈ステレオ録音〉によるジャズを
ここで堪能することができます。

50年代には、両親の家の居間を改装して
レコーディングスタジオにしていましたが、
ここでの収録は新しく建築した
レコーディング専用スタジオを中心に行われています。

そのスタジオは、高い天井にも象徴されるように、
条件としてはかなり良好なものとなっていたようで、
空間の表現、奥行きのイメージにおいて、
50年代のヴァン・ゲルダー収録に比べて
一日の長があるように思えます。

50年代に活躍したジャズレーベルと比べて「インパルス」は
企画勝負の新しいスタイルによるレコードを次々と発表しました。


ジャズ・クラブでやっていた演奏を
そのままスタジオ収録するのではなく、
一つ一つの作品に趣向を凝らし、
プロデューサーがアイデアを絞り出しながら、
レコードならではのミュージシャンの
魅力的な個性を引き出す努力をしていたのです。

そうした作品の意図が、
収録されたサウンドやステレオ音場に明確に示されているところが
「インパルス」の興味深いポイントとも言えるでしょう。

その収録音に対しては通常のCD以上に、
Super Audio CDのフォーマットがさらなる魅力を引き出せるように思えます。

ヴァン・ゲルダーの示すジャズ音場はそのままに、
より深く、ミュージシャンの駆使する楽器の音色、
微妙な表現を求めてマスタリングを心がけました。


Super Audio CDハイブリッド化と周辺機器・ケーブル

今回のSuper Audio CDハイブリッド化に当たっては、
これまでのエソテリック企画同様、使用するマスターの選定から、
最終的なDSDマスタリングの行程に至るまで、
妥協を排した作業が行われています。

特にDSDマスタリングにあたっては、
DAコンバーターとルビジウムクロックジェネレーターに、
入念に調整されたエソテリック・ブランドの最高級機材を投入、
また同社のMEXCELケーブルを惜しげもなく使用することで、
貴重な音楽情報を余すところなくディスク化することができました。
 



聴き終えても、またすぐ繰りかえし聴きたくなる衝動(インパルス)!

珀琥色になるまで寝かせた年代物のウイスキー。
その封を切るに似て、名ジャズレーベルのマスターサウンドが、
半世紀の眠りから醒めた。

60年代、あのコルトレーン、ソニー・ロリンズ、オリヴァー・ネルソン、
ジョニー・ハートマンといったジャイアンツたちは、
活躍のステージを求め“インパルス”に籍を置いた。

その天才たちの往時の名演奏が、
エソテリックのマスターサウンドで、今蘇る。

ブルーノートレーベルから船出したグレイトジャズを巡る豪華クルーズ。


今回は、大物エンジニアのルディ・ヴァン・ゲルダーによる
インパルスレーベルの歴史的録音より、
珠玉の名テイク6タイトルを選び
リマスター、SACD 化するという、わくわくするゴールを目指した。

当時、インパルスに移籍して新境地を目指すコルトレーンは、
激しくブローするお家芸の一方で、
バラード調を詩情豊かに瑞々しく歌い上げるにあたり、
エンジニアのゲルダーと共同して録音にあたった。

これが一連の名テイク誕生の契機となる。

コルトレーンは、相性というだけでなく、
ゲルダーの目指す先が自らの音楽と
同じゴールと感じていたのかもしれない。

自宅に広い天井空間を確保した
レコーディングスタジオを新調するほどのこだわりのゲルダーは、
ジャズ領域で録音芸術(あえて芸術と言わせていただく)の
新天地を開拓した魁(さきがけ)の一人であり、そのレコード群は、
ジャズ・ジャイアンツとの邂逅を聴くたび実感し、
その人なりに感動を深め楽しむ
オーディオファイルシップへと誘う名盤として愛された。


実際マスターテープには、
今日のデジタルレコーディングスタジオでの
収録ではかえってスポイルされてしまうようなおおらかな臨場感、
ナチュラルなソノリティ、セッションの息遣いが手垢つかずのまま収録されていた。

そうと判って、我がエソテリックは技術とノウハウを動員。
その甲斐あって、眼前それも間近に歴史的名演奏が繰り広げられる
リアルな“空気感”がそこここに感じられることが、嬉しい限りである。
そうとなれば、さっそくオーディオリスナーである諸氏の手に委ね、
嗚呼これぞJAZZSOUNDひとため息を漏らしてあらためて聴きたくなる
“インパルス”(衝動)を、思う存分、味わって頂くこととしよう。


 エソテリック株式会社 SACDプロデューサー 大間知 基彰












 
JOHN COLTRANE QUARTET
BALLADS

ESSI-90133




   「インパルス」はコルトレーンから
さまざまな側面を引き出そうと、
60年代初頭の契約以来、
通常の演奏活動とは違った企画を彼に与えていきます。

ブラス・セクションとの競演や
デューク・エリントンのコラボレーションなどを
次々と企画・制作し、ライヴでのコルトレーンとは違った
一面を幅広く提供してくれました。


50年代から定評のあった
コルトレーンの巧みなメロディ表現に
注目した企画『バラード』もそうした一連の作品であり、
コルトレーンの魅力を多角的に引き出すための
意欲的な試みの一つだったのです。


1961年4月「インパルス」と契約を結んだ
コルトレーンは、モノに取り憑かれたようにアグレッシヴに
自己の探求を極め、
67年7月17日に他界してしまいました。

コルトレーンの凄みすら感じさせるアグレッシヴさは、
彼の没後さらに明確になります。

70年代に入りヨーロッパで行われていた
ライヴの実況が海賊盤として多く発売され、
その壮絶な内容が彼を
より一層神格化させていったのです。

『ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』
『至上の愛』といったハードな一面が記録された
「インパルス」盤以上に攻撃的な白熱の演奏が、
音の悪いLPに刻まれていたのです。

ピアノ、ベースが途中で止み、
数十分も続くエルヴィン・ジョーンズのドラムスとの
果たし合いのような対決に、
ファンは目を丸くして聴き入っていました。

急いで自ら死に向かって突き進んで行ったような
コルトレーンの凄絶さを耳にしたファンでしたが、
彼らはそれとは違うコルトレーンの“アザー・サイド”と
称された静寂と安寧に満ちた世界に触れることで、
さらなる感慨を深めても行きました。

その代表的な作品がこの『バラード』です。
本作は数多くあるサックスによるバラード集のなかでも
秀逸の1枚として 50年以上を経た現在でも
聴き続けられているのです。

 

          


ジョン・コルトレーンが奏でるバラードの世界  
 
  「熱狂的なコルトレーンの演奏ばかりに接していると、
この静寂の世界はおよそかけ離れたもののように感じられるが、
このふたつの表現は表裏一体となって、彼の音楽をつくっている。

50年代から彼が探求し続けたスローなバラード表現は、
ここに至って完成をみたのだ。」

モダン・ジャズ名盤500・1993年7月発行



「コルトレーンのバラードは瞑想的であり、
まるでそこに神が宿っているような崇高なたたずまいさえ覚えさせる。
彼が現れたとたん、暗がりに光が差し込むようだ。
人間離れしているわけではないその静かな優しさ。
苦闘する男の一瞬のくつろぎ…。」

 完全新版モダン・ジャズ名盤500・1999年5月発行




◆Super Audio CDハイブリッドの音質    
 
 60年代初期らしく中央に主役を置かず、
コルトレーンが左に、ピアノ、ベースが中央付近、
ドラムスが右という配置。ピアノは同じヴァン・ゲルダー収録にも拘わらず
ブルーノート盤のような圧縮されたイメージから解放され、
ナチュラルなテイストが楽しめます。
ノイズも巧みに処理されていて、
コルトレーンのテナー・サックスが曲により、
フレーズにより、時に甘く、切なく、哀しく、泣くがごとく、
そして力強く、柔軟さを備えて、語りかけてきます。

フレージングによって千変万化するタンギングの
細かい表情を捉えることができるのも、このディスクの魅力でしょう。


今回のSuper Audio CDハイブリッド化では
従来のディスクと比べ、「音楽が近い」印象を
感じていただけると思います。
音が前に張り出す、という意味ではなく、
また音情報が豊か、という言葉で表すこともできない、
音楽の実在感、つまりスピーカーから出るサウンドに
手で触れることができるかのような感覚を
この『バラード』から汲み取っていただければ幸いです。  

 


■収録曲

セイ・イット
ユードント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ
トゥー・ヤング・トゥ・ゴー・ステディ
オール・オア・ナッシング・アット・オール
アイ・ウィッシュ・アイ・ニュー
ホワッツ・ニュー
イッツ・イージー・トゥ・リメンバー
ナンシー

ジョン・コルトレーン(ts)、
マッコイ・タイナー(p)、
ジミー・ギャリソン/レジー・ワークマン(b)、
エルヴィン・ジョーンズ(ds) 


[録音] 1961年12月、1962年 9月&12月 


[プロデューサー] ボブ・シール

[レコーディング・エンジニア] ルディ・ヴァン・ゲルダー

[SACDプロデューサー] 大間知基彰(エソテリック株式会社)

[SACDリマスタリング・エンジニア] 杉本一家
(ビクタークリエイティブメディア株式会社 マスタリングセンター)

[SACDオーサリング] 藤田厚夫(有限会社エフ)

[解説] 野沢龍介 市川正事二

[企画/販売] エソテリック株式会社

[企画/協力] 東京電化株式会社















  



 
SONNY ROLLINS
ON IMPULSE!

ESSI-90134




 1954年に薬物禍から脱するためにシカゴに隠匿し、
その後ニューヨークにて再デビュー、
飛ぶ鳥を落とす勢いとなった50年代後半、
その絶好調時代の 1959年8月に突如第一線から再び姿を消し、
マンハッタンとブルックリンを結ぶウィリアムズバーグ橋で
練習に勤しみ61年に活動再開したソニー・ロリンズ。

本作品はそうした彼の試行錯誤の後に到達した
充実した60年代半ばの演奏が収められています。

50年代末期の活動停止の間にジャズは
大きく変貌を遂げようとしていました。
マイルス・デイヴィスやジョン・コルトレーンが
モード手法による先鋭的な演奏を試み、
オーネット・コールマンがフリー・ジャズを提唱していたのです。

60年代初頭、再登場したロリンズは
大手レコード会社RCAと契約、
『橋』『ホワッツ・ニュー』という最初の2作品は
どれも豪放磊落なプレイが最高に楽しめましたが、
その後、時代の流れを意識したのか
フリー・ジャズ・ミュージシャンや大御所との協演や
原点帰りを目指したのかスタンダード・ソング集などの
企画物に挑戦するものの賛否両論、

そして65年に「インパルス」に移籍、
最初に行った録音がこの『オン・インパルス』でした。

冒頭曲、47年のMGM映画『大地は怒る』の
主題歌「オン・グリーン・ドルフィン・ストリート」の演奏は、
いかにも60年代らしく原曲を崩しながらフリーキーにソロをとります。

魅力的なバラード、マット・デニスの
「エヴリシング・ハップンズ・トゥ・ミー」では
50年代よりは若干饒舌になったソロが深い情感を呼び、
「ホールド・エム・ジョー」は十八番のカリプソ。

ロリンズのスタンダード・プレイの真髄が聴ける
リチャード・ロジャースの渋い名曲「ブルー・ルーム」は
彼の真骨頂ともいえる素晴らしい演奏、
そして最後は快速調のハリー・ルビーによる
「スリー・リトル・ワーズ」。

後半にドラムスとの4小節のチェイスがあり、
これが絶品。手に汗握る掛け合いです。

以上のように『オン・インパルス』は久々に
レコードでソニー・ロリンズらしさが蘇った作品となり、
RCA後半時代にややストレスが溜まっていた
ロリンズ・ファンの溜飲を下げる1作となっています。

多少の変化はあるもののソニー・ロリンズは
いつの時代も変わらず最高なのだ、
ということを知らされたディスクです。 



 


インパルスに移り蘇ったソニー・ロリンズ  
 
 「RCAからインパルスに移籍した
ロリンズが放った第1作がこのアルバムである。
その後の作品にもいえることだが、
ここでのロリンズは往年のくつろぎと
豊かなメロディの歌わせ方を取り戻しつつある。

傑作『ワークタイム』(プレスティッジ)での
共演者レイ・ブライアントの久方ぶりの共演を得て、
余裕のある美しいメロディックなスタイルを披瀝してくれる。」

ジャズ・レコード百科'79・1979年5月発行



「RCA時代よりひとまわりスケールアップした印象だ。
特別に変わったことはしているわけではないが、
その存在感豊かなプレイには卓越した個性の輝きがある。」

ジャズ・ジャイアンツこれが決定盤・1986年5月発行




◆Super Audio CD ハイブリッドの音質    
 
 50年代録音に比べてやや細身に感じていたサックスの音が、
実はもっと深く、肉太で、しっかりしたものであることに、
気が付くリマスタリングが施されています。

エコーを薄くまとったその音は実に魅力的で、
中央に位置するロリンズはヴァン・ゲルダー・スタジオ内部の
高い天井を想起させるようにナチュラルに響き、
柔らかな余韻が心地よく感じられます。

50年代のマイクの前で吹いているような
クローズアップされたデフォルメによる
迫力のある演出とは違った(ジャズではこうした音も快感ですが)、
忠実な再現性が余計に力強さを感じさせてくれます。

これこそソニー・ロリンズ本来の音ではないでしょうか。
自然で力強く、太く、かつタイトで、スケールの大きなサックスです。 

 




■収録曲

オン・グリーン・ドルフィン・ストリート
エヴリシング・ハップンズ・トゥ・ミー
ホールド・エム・ジョー
ブルー・ルーム
スリー・リトル・ワーズ

ソニー・ロリンズ(ts)、
レイ・ブライアント(p)、
ウォルター・ブッカー(b)、
ミッキー・ロッカー(ds)  


[録音] 1965年7月 


[プロデューサー] ボブ・シール

[レコーディング・エンジニア] ルディ・ヴァン・ゲルダー

[SACDプロデューサー] 大間知基彰(エソテリック株式会社)

[SACDリマスタリング・エンジニア] 杉本一家
(ビクタークリエイティブメディア株式会社 マスタリングセンター)

[SACDオーサリング] 藤田厚夫(有限会社エフ)

[解説] 野沢龍介 小川隆夫 

[企画/販売] エソテリック株式会社

[企画/協力] 東京電化株式会社














 
ROY HAYNES QUARTET
OUT OF THE AFTERNOON

ESSI-90135

 


 2015年5月、ブルーノート東京で
ロイ・ヘインズの90歳を祝うコンサートが開催されました。

1940年代にドラマーとしてデビューし、
チャーリー・パーカー、マイルス・デイヴィスをはじめ、
ジョン・コルトレーン、セロニアス・モンクなど
多くのスーパースターと協演、レコーディングにも
数多く参加した彼は、まさに「レジェンド」。


しかも素晴らしいのは、いつの時代にも
先端を行くスタイルをキープしていたことで、
大御所と称される人たちにみられる時代を
超越した名人芸ではなく、常に参加したグループの
音楽に的確にサポートするサウンドを提供し続ける
真の音楽的サポーターであることを、
70年以上のミュージシャン活動とその記録が証明しています。


本作でもドラマーによるリーダー作に見られる
御大の華麗なプレイをフィーチュアすることなく、
しっかりとした音楽的まとまりのあるジャズ・アルバムに
仕上げているところは、
さすがロイ・ヘインズといえるでしょう。

ピアノにトミー・フラナガンという名手を置き、
ヘンリー・グライムスのベースによるリズムセクションは鉄壁。

そして注目は盲目のローランド・カークです。
テナー・サックスのみならず、
マンゼロ、ストリッチといった珍しい楽器も吹きます。
それも時には3本同時にリードを口に銜え、
一遍にハーモニーを醸し出してしまうという、秘技もみせます。


冒頭曲からその複数本吹きは全開、
2曲目「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」では
テーマとソロをテナー・サックスで吹き、
ピアノ・ソロを経てドラムスとの4バース交換では
マンゼロに持ち替え、途中で3つの楽器を吹き始めるし、
4曲目の「スナップ・クラッカル」ではテーマに、
3管合奏で色を添え、ソロはフルートで行い、
ストリッチは次の「イフ・アイ・シュッド・ルーズ・ユー」や
6曲目「ロング・ワーフ」で、マンゼロは最終曲
「サム・アザー・スプリング」でソロを聴くことができます。

その音色の違いもこの作品の楽しみの一つとなっています。

  

 
 


いくつもの管楽器を操るローランド・カークのプレイも素晴らしい  
 
 「ロイ・ヘインズのリーダー・アルバムの中でも、
一つの頂点といえるのが本作だ。とりわけ、
ローランド・カークのプレイが美しい。
自己名義の作品では奔放な音づくりで楽しませてくれるカークだが、
ここでは一聴おとなしいぐらいの、
しかし説得力溢れるソロで、一人の卓抜な
サイドマンとして全体のサウンドに寄与している。」

ゴールド・ディスク辞典・1998年5月発行



「爽やかなスネアの音がシャープな乗りに
ぴったりと合っているロイ・ヘインズのドラミング。
そして“ムーン・レイ”などマイナーな曲での、
ぶっきらぼうなくせに堪らなく哀愁を感じさせるカークの演奏が、
ここでの最大の聴きものである。」

モダン・ジャズ名盤500・1993年7月発行




◆Super Audio CD ハイブリッドの音質    

 今回のマスタリングでオリジナルマスターに
残されていた音質の素晴らしさが証明されたように感じられます。
くっきりとした空気感が全体に漂い、
右方向に定位するドラムスは実に鮮明。

やや広がりをみせるステレオ感がドラムスを
より立体的にしているし、
重心が下がりステージにしっかりと
ドラムセットがセッティングされているような
印象が耳に残ります。


冒頭から左手のスネアを叩くショットに釘付けにされるでしょう。
スネアドラムにやや感じられた湿気が取り除かれ、
乾ききった実に爽快な打撃音がスピーカーから飛び出してきます。

左に位置するローランド・カークの
管楽器複数本一挙奏法も、
それぞれの楽器の音色が克明に表現されているので、
演奏が見えるようです。


ピアノも控えめな余韻を持ちながら
しっかりとした音色を提供、
ベースは近年録音の十分過ぎるほどの量感、
溢れ出るパワーこそ抑えられていますが、
ドラムスとのバランスは見事で、
音楽的なマッチングとしては最上の部類に入るでしょう。

各トラックのイントロに少しだけ入るドラム・ソロ、
これを聴くだけでも楽しくなるような臨場感が得られていますし、
ヴォリュームを上げれば上げるほど音楽が身近に迫ってきます。 


 


■収録曲

ムーン・レイ
フライ・ミー・トィ・ザ・ムーン
ラオール
スナップ・クラックル
イフ・アイ・シュッド・ルーズ・ユー
ロング・ウォーフ
サム・アザー・スプリング

ローランド・カーク(ts)他、
トミー・フラナガン(p)、
ヘンリー・グライムス(b)、
ロイ・ヘインズ(ds)  


[録音] 1962年 5月 


[プロデューサー] ボブ・シール

[レコーディング・エンジニア] ルディ・ヴァン・ゲルダー

[SACDプロデューサー] 大間知基彰(エソテリック株式会社)

[SACDリマスタリング・エンジニア] 杉本一家
(ビクタークリエイティブメディア株式会社 マスタリングセンター)

[SACDオーサリング] 藤田厚夫(有限会社エフ)

[解説] 野沢龍介 藤井英一

[企画/販売] エソテリック株式会社

[企画/協力] 東京電化株式会社
















    


 
OLIVER NELSON
THE BLUES AND THE ABSTRACT TRUTH

ESSI-90136




   60年代前半を象徴するミュージシャンが
集結した素晴らしい作品です。

アメリカの音楽文化の根底にあるブルース、
その音楽形式に解釈を加え、ブルースの可能性を探求、
多彩な表情を浮かび上がらせています。

4管3リズムの編成による素晴らしいアンサンブルと
個性的なソロのブレンドで、最高レベルの完成度を
示したジャズ史の名盤、
それが『ブルースの真実』です。


ポール・チェンバースのベース、
ロイ・ヘインズのドラムスという
実にタイトなヴェテランをリズムの中枢に据えた上で、
ピアノにビル・エヴァンスを起用、
全体のサウンドを実にモダンに、かつ50年代の
ハードバップとは一線を画した内容にしていますし、
管楽器ソロはフレディ・ハバードのトランペットと
エリック・ドルフィのサックス、フルートを中心にした
いかにも60年代を象徴するような
モダンな内容が提供されます。


冒頭の「ストールン・モーメンツ」は
本作の素晴らしさを物語るような傑作です。
短調による変則ブルース形式で、
最初にソロをとるのはトランペッター、
フレディ・ハバード。

夜の静寂を一瞬切り裂くような、
アグレッシヴかつメロディアスなアドリブが、
絶妙なアンサンブルによるテーマから
引き継がれていきます。

管楽器は4本。それなのにフルバンドのような
印象を与える編曲も素晴らしく、例えば「カスケイズ」で
フレディ・ハバードに次いで登場するビル・エヴァンスの
ピアノ・ソロと管楽器の対応など、どのトラックにも
聴きどころがたくさん隠されています。

単なる寄せ集めセッションではなく、
企画力が存分に発揮された『ブルースの真実』は
ジャズ多角的激動の時期に見事に華咲いた、
楽器アンサンブル、ソロイストの人選、
ともに最高に練り上げられた傑作といえるでしょう。 

 


アンサンブル、ソロどれをとっても絶品である  
 
 「この作品は奇跡的に美しい1曲目の
“ストールン・モーメンツ”によってファンに
強い印象を残している。若々しいフレディ・ハバードの
独壇場であり、張りのあるトーンと爽やかな
タンギングの味わいが、なんとも新鮮だ。」

モダン・ジャズ名盤500・1993年7月発行


「アレンジャー、オリヴァー・ネルソンの実力が
遺憾なく発揮された彼の代表作。アンサンブルだけをみても、
たんなるセッションを超えた内容で、ソロはどれもが絶品である。」

完全新版モダン・ジャズ名盤500・1999年5月発行





◆Super Audio CD ハイブリッドの音質    

 今まで発売されたディスクに比べて
若干音の張り出しが少ない、というのが第一印象。

ただしそのためか、アンサンブルにおける個々の
管楽器のニュアンスは絶妙に伝わり、リズムセクションは
くっきりと深く、地に根を張ったような安定感が生まれています。

ジャズでは多少のクローズアップ、デフォルメは必要だ、
と感じながらもヴォリュームを次第に上げていくと、
どんどんとリアリティが増していきます。

マスタリング時に不必要なエフェクト効果を
加味していないため、
一瞬、力不足と思わせるその全体的サウンドは、
マスターそのものの音を是非Super Audio CDで
体験していただきたいサウンドです。 

 


■収録曲

ストールン・モーメンツ
ホー・ダウン
カスケイズ
ヤーニン
ブッチ・アンド・ブッチ
ディーニーズ・ブルース

フレディ・ハバード(tp)、
エリック・ドルフィ(as)他、
オリヴァー・ネルソン(ts)、
ビル・エヴァンス(p)、
ポール・チェンバース(b)、
ロイ・ヘインズ(ds)、
ジョージ・バロウ(bs) 
 

[録音] 1961年2月

[プロデューサー] クリード・テイラー

[レコーディング・エンジニア] ルディ・ヴァン・ゲルダー

[SACDプロデューサー] 大間知基彰(エソテリック株式会社)

[SACDリマスタリング・エンジニア] 杉本一家
(ビクタークリエイティブメディア株式会社 マスタリングセンター)

[SACDオーサリング] 藤田厚夫(有限会社エフ)

[解説] 野沢龍介 岡崎正通

[企画/販売] エソテリック株式会社

[企画/協力] 東京電化株式会社















 



COUNT BASIE
AND THE KANSAS CITY 7

ESSI-90137  
 


  このディスクのカウント・ベイシーは、
いつもの大編成のオーケストラとは違い、
トランペット1,サキソフォン2+リズムセクションという
コンボ形式のフォーマットを採用しています。

小編成のために、ベイシー・オーケストラを
常に担っていたギター、ピアノ、ベース、ドラムスによる
リズムセクションの魅力がより一層浮き彫りにされているところも
大きな魅力になっています。


カウント・ベイシーは昔から自らのバンドの
ピックアップ・メンバーによる小編成によるコンボで演奏していて、
1939年にはバック・クレイトンのトランペット、
レスター・ヤングのテナー・サックス、
ディッキー・ウェルズのトロンボーンに
ウォルター・ペイジのベース、ジョー・ジョーンズの
ドラムスを従えてレコーディングを行っています。

その時にも参加していたのが、
ピアノのカウント・ベイシーとギターのフレディ・グリーンで、
この2人のコラボレーションこそがカウント・ベイシー・ミュージックの
根幹にあるといっても過言ではないでしょう。

カンサス・シティ・ジャズの根源、原型ともいえるこの編成は
「カンサス・シティ・セヴン」と称され、
レコーディングは前述の39年に、
そして2回目が44年で、
本作は3回目となりました。

18年振りのということもあり、
それだけにベイシーの意気込み、
そして思い入れがこもった内容で
あったのだと想像されます。


なんと言っても全編を通して
アコースティックな魅力が充満。

ビッグ・バンドのディスクでも
ちゃんと聴こえるフレディ・グリーンのギターが
ステージではなくクラブで聴いているように実に身近に感じますし、
ベイシーのツボを得たピアノ、ソニー・ペインのドラミング、
どれもがしっかりとステレオ音場の中に定位しています。

管楽器のアンサンブルも素晴らしく、上質な、
大人の、リラックスした極上の演奏が展開されています。
   



ルディ・ヴァン・ゲルダー・サウンドでベイシーが聴ける!   
 
 「50〜60年代のベイシーは編曲を
重視し充実したアンサンブル・サウンドを提供したが、
コンボ演奏においてもその特色が生かされている。
徹底したスウィング・リズムは少しも損なわれることはない。」

ジャズ・レコード百科'79・1979年5月発行


「ルディ・ヴァン・ゲルダー・サウンドで
ベイシーが聴けるのも、
このアルバムの魅力の一つとなっている。
事実、たまらないリアルな音が飛び出してくる。
ベイシーはハモンド・オルガンの名手でもあるが、
この1枚は格別にいい」

ジャズ・ジャイアンツこれが決定盤・1986年5月発行

 



◆Super Audio CD ハイブリッドの音質  

 カウント・ベイシーとルディ・ヴァン・ゲルダー・サウンドの
邂逅ひこれだけでもジャズ・ファンにとっては
大きな楽しみの出来事です。

トラック1「オー、レイディ・ビー・グッド」冒頭の
ピアノの1打を聴いただけで、音の鮮明さに圧倒されることでしょう。
ベイシーが中央で弾くピアノ、これがしっかりとした
肉付きをもって広い音場に立体的なイメージで聴こえます。

音像はしっかりクッキリとしていて滲みがほとんど感じられず、
ギターはアコースティック感満載で、右手のストロークが見えるようです。
ベースは楽器が違ったのかと思えるほど表現が深くなり鮮明、
ドラムスはやや控えめに存在するものの、
着実に刻むビートが心地よく伝わってきます。


管楽器は一歩前に踏み出たような気がするほどです。
クオリティだけをみると最新録音と比べて引けをとるのでしょうが、
音楽がより身近に迫ってくるこの空気感は
この時代がもっていた熱気そのもの。

音楽も録音も熱かった
最高の時代の息吹がいまここに蘇っています。 

 



■収録曲

オー・レディ・ビー・グッド
シークレッツ
アイ・ウォント・ア・リトル・ガール
シュー・シャイン・ボーイ
カウンツ・プレイス
セナター・ホワイトヘッド
タリー・ホー、ミスター・ベイシー
ホワッチャ・トーキン?

サッド・ジョーンズ(tp)、
フランク・フォスター(ts)他、
エリック・ディクソン(ts,fl)他、
フレディ・グリーン(g)、
カウント・ベイシー(p,org)、
エディ・ジョーンズ(b)、
ソニー・ペイン(ds)


[録音] 1962年3月


[プロデューサー] ボブ・シール

[レコーディング・エンジニア] ルディ・ヴァン・ゲルダー

[SACDプロデューサー] 大間知基彰(エソテリック株式会社)

[SACDリマスタリング・エンジニア] 杉本一家
(ビクタークリエイティブメディア株式会社 マスタリングセンター)

[SACDオーサリング] 藤田厚夫(有限会社エフ)

[解説] 野沢龍介 野口久光

[企画/販売] エソテリック株式会社

[企画/協力] 東京電化株式会社













 



JOHN COLTRANE
AND JOHNNY HARTMAN

ESSI-90138




  ヴォーカルとジャズ・グループの
理想的な融合がなされた奇跡的な1枚です。

低い声で優しく囁くように歌う「クルーナー」と呼ばれてもいた
ジョニー・ハートマンとバラードを得意とするとはいえ、
主張の強いコルトレーンのコラボレーション、
これは一種の“賭”であったとも思われます。


それまでにも、プロデューサー、ボブ・シールは
バラードだけの収録(『バラード』)やデューク・エリントンとの
コラボレーション(『デューク・エリントン&ジョン・コルトレーン』)といった
企画物を成功させていましたが、これはそうした「インパルス」の
コルトレーン・プロジェクト的アルバムの第3弾であり、
心やさしい内容とは裏腹に、
企画としては冒険心に富んだ勇気ある作品であった、
とも言える問題作なのです。


1963年、ハートマンはボブ・シールから連絡を受け、
ニューヨークのジャズ・クラブ“バードランド”に出演している
コルトレーンを聴きに行くように言われました。

ライヴが終了した後、
彼はコルトレーン、マッコイ・タイナーのピアノと
簡単なセッションを行い、
その1週間後に実行されたのが
このレコーディングでした。


ジョニー・ハートマンはこのセッションで、
通常のジャズ・シンガーのような
スキャットによるアドリブなどを控え、
歌詞を丹念に読み、
美しいメロディ・ラインを提供することに専念します。

そうした彼と、周辺で絶妙なムードを創り上げている
コルトレーン・クァルテットの4人による素晴らしい
融合ジャズ・ヴォーカル作品のような
歌手中心によるスキャットを駆使した内容ではなく、
コルトレーンのテナー・サックスがハートマンと
一緒にデュオをするように曲の素晴らしさを伝えてくれる、
これはまさに企画の勝利、ジャズ史でも稀な1作なのです。

冒頭の「ゼイ・セイ・イッツ・ワンダフル」
そして3曲目の「マイ・ワン・アンド・オンリー・ラヴ」は
ヴォーカル作品としてこれからの半世紀、
つまりトータルで1世紀100年の間、
聴き続けられる名演となるでしょう。
 



艶やかなバリトン・ヴォイスのハートマンと歌声みたいなコルトレーンのソロ    
 
 「ささやきかけるようなハートマンのヴォーカルと、
温かいコルトレーンのソロが印象的な冒頭の
“ゼイ・セイ・イッツ・ワンダフル”から始まり、
全6曲それぞれに聴きどころを持った歌と演奏が展開されていく。」

ヴォーカリスト334・1994年8月発行


「コルトレーン黄金のクァルテットをバックに歌う、
そんな途轍もない幸運に恵まれた歌手は世界でただ一人、
ジョニー・ハートマンしかいない。声を張り上げることなく、
原曲のメロディを崩さずひっそりと歌う。
艶やかなバリトン・ヴォイスが美しい。
コルトレーンのソロも歌声みたいだ。」

完全新版モダン・ジャズ名盤500・1999年5月発行





◆Super Audio CD ハイブリッドの音質  

 ステレオ音場の配置だけをみても、
制作者による本作の意図は明確です。

マッコイ・タイナーのピアノは右に、
ベース、ドラムスは中央右に、
コルトレーンのテナー・サックスは左、
そしてジョニー・ハートマンのヴォーカルが
中央よりやや左に位置します。


明確な主役はなく、
クァルテットにヴォーカルが加わった5人が
同等にステレオ音場を形成するように
セッティングされている点に
この作品の特徴が現れています。


奇跡の名演「マイ・ワン・アンド・オンリー・ラヴ」では
冒頭から1コーラス、コルトレーンのソロで始まりますが、
右方向のリズムセクションに対し、テナーは左端、
中央付近は音がなく、何となく物足りなさ、
不安感を抱きながらソロが終了、
その時、ジョニー・ハートマンが中央やや左より登場、
どっと安堵の気持ちが溢れ出、
それをサポートする左端のコルトレーンによる
オブリガートがさらに音楽の魅力を高めていくのです。

作品が意図する「ヴォーカルとジャズ・コンボの融合」を
見事に音場セッティングが示しているのです。


今回のSuper Audio CDハイブリッド盤では
そうしたシチュエーション、
制作者の意図をしっかり把握することができ、
ピアノの鮮明さ、ヴォーカル、ベース、ドラムスの定位、
音像密度において抜群のクオリティを実現しています。

ノイズが若干気になる本作ですが、
今回のリマスターにより、
Dレンジを損ねることのない質感による
ノイズに昇華されているのも魅力の一つでしょう。 






■収録曲

ゼイ・セイ・イッツ・ワンダフル
デディケイテッド・トゥ・ユー
マイ・ワン・アンド・オンリー・ラヴ
ラッシュ・ライフ
ユー・アー・トゥー・ビューティフル
オータム・セレナーデ

ジョニー・ハートマン(vo)、
ジョン・コルトレーン(ts)、
マッコイ・タイナー(p)、
ジミー・ギャリソン(b)、
エルヴィン・ジョーンズ(ds)



[録音] 1963年3月 


[プロデューサー] ボブ・シール

[レコーディング・エンジニア] ルディ・ヴァン・ゲルダー

[SACDプロデューサー] 大間知基彰(エソテリック株式会社)

[SACDリマスタリング・エンジニア] 杉本一家
(ビクタークリエイティブメディア株式会社 マスタリングセンター)

[SACDオーサリング] 藤田厚夫(有限会社エフ)

[解説] 野沢龍介 青木 啓 

[企画/販売] エソテリック株式会社

[企画/協力] 東京電化株式会社