SACD ハイブリッド

「バッハの最も正統的な解釈」と絶賛された、
清冽なまでの音楽美。
 
 

J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲集
 
ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)
サー・ネヴィル・マリナー(指揮)
アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ


価格:3,143円(税別)
ESSD-90140[SACD Hybrid]
DSD MASTERING
Super Audio CD層:2チャンネル・ステレオ[マルチなし]
美麗豪華・紙製デジパック・パッケージ使用


SOLD OUT!




厳しい造形感覚に支えられた高潔な音楽美


   ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲に続き、
20 世紀が輩出した数々のヴァイオリニストの中でも、
最も高潔な音楽美を追求した
巨匠ヘンリク・シェリング(1918.9.22-1988.3.3)の
1970 年代の名演がもう一つ、
エソテリックのSuper Audio CD ハイブリッド・シリーズに加わります。

シェリングは、レオポルド・アウアー門下の
モーリス・フレンケル、ブロンイスラフ・フーベルマン、
そしてカール・フレッシュら名だたる名ヴァイオリニストに師事し、
ヨーロッパのヴァイオリン演奏の王道を
身につけた正統派であるのみならず、
第2 次大戦中にはナチスの侵攻を避けてメキシコに渡り、
人道主義的な活動に身を投じるなど、
通常の音楽家とは異なるユニークな経歴の持ち主です。

第2 次大戦後にメキシコを訪れた
ルービンシュタインによって「再発見」され、
その紹介によって再びその名を知られるようになり、
以後世界的な演奏活動を行うようになりました。

ヴァイオリンという楽器の持つ艶やかさや
華麗な技巧を表面に出さず、
主観を排し厳しい造形感覚と確かな様式感を持って
音楽の本質に肉薄するシェリングの演奏は、
20世紀後半のヴァイオリン演奏の本流の一つとして
高く評価されています。




 


豊富なディスコグラフィを誇る名手  
 
 シェリングは1950 年代から
フランス・コロンビアに録音を開始し、
その後、1960 年代前半はRCA、
1960 年代中盤はマーキュリー、
そして1960 年代後半以降はフィリップスと
メジャー・レーベルをオーバーラップしつつ
幾多の録音を残しています。

中でも、フィリップス・レーベルには
1960 年代後半から 1970年代にかけてバッハからポンセまで、
協奏曲・室内楽曲・独奏曲をカバーする幅広いレパートリーにおいて、
その最円熟期の芸術を刻み込んでおり、
アルトゥール・グリュミオーとともに
アナログ時代の同レーベルの代表的な
ヴァイオリニストと位置付けられていました。

今回世界で初めてSuper Audio CD ハイブリッド化されるのは、
1976 年に録音されたバッハのヴァイオリン協奏曲集です。





20 世紀のバッハ演奏を代表する1 枚     
 
 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ、ヴァイオリン・ソナタ、
そしてヴァイオリン協奏曲というバッハのヴァイオリン作品は、
いずれもシェリングのトレードマークとでもいうべき重要なレパートリーで、
生涯にわたって演奏会で取り上げ続けただけでなく、
複数のセッション録音が残されています。

ヴァイオリン協奏曲2曲に関しては、
まず1951年にガブリエル・ブイヨン指揮パドゥルー管と
モノラルで録音(仏EMI)、フィリップスに移ってからは
1965 年に自ら指揮するコレギウム・ムジクム・ヴィンタートゥールと
ステレオで録音しており、1976 年録音の当盤は、
ステレオ再録音にして生涯3 度目の録音ということになります。

いずれも20 世紀後半のバッハ演奏の主流ともいうべき楷書体の
アプローチでシェリングならではの引き締まった美音で
作品の本質に触れることができる名演ですが、
この1976 年盤は、その中で最も円熟味が増し、
求道者的な厳しさに加えて繊細な表情と深い抒情が醸し出され、
バッハ音楽の清澄な精神美を描き出しています。

2つのヴァイオリンのための協奏曲は
1965年の旧盤以来2度目の録音で、
共演のモーリス・ハッソン(1934 年生まれ)は
シェリングに学んだフランスのヴァイオリニストで、
ロンドン王立音楽院でも教鞭を取った名教師として名を残しています。

なお管弦楽組曲第3番のアリアはシェリング唯一の録音です。





シェリングの美音を余すところなく明晰に捉えた優秀録音
  
 
共演は当時フィリップス・レーベルの根幹アーティストで、
1924 年生まれで90 歳を超えた今もかくしゃくと指揮活動を続けている
ネヴィル・マリナー指揮する
アカデミー・オブ・ザ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ(ASMF)。

第2 次大戦後に加速した室内オーケストラ・ブームの中で、
その柔軟性とレパートリーの多彩さで最先端を走っていた
ASMF とはフィリップス、デッカ、アーゴ、EMI などの
レーベルにバロック音楽を中心に、
ロマン派や20 世紀音楽まで網羅する
大量の録音を行ない、学究的になり過ぎず、
さわやかで柔軟な音楽作りによって
特にバロック音楽の復興に大きな役割を果たしました。

シェリングとのバッハの録音が行なわれたのは、
ロンドンでも屈指の録音会場の一つとして知られている
ウォルサムストウ・アッセンブリー・ホール
(演奏会の場合、2階も合わせると客席数最大1150名)。

全体のイメージは比較的近めの音像で録られており、
中央やや左に定位するシェリングのソロは
細部までその気品のある音色と
繊細な弓使いを聴きとることができます。

さらにその背後に広がるASMF も小編成の
室内オーケストラならではの各パートの機敏かつ
緊密なアンサンブルが鮮明に捉えられています。

プロデュースを担当したのは、
指揮者・音楽学者としても知られるヴィットリオ・ネグリ(1923 年生まれ)。

ミラノ音楽院で学び、戦後ザルツブルク・モーツァルテウムで
ベルンハルト・パウムガルトナーのアシスタントを務めている時期に
フィリップス・レーベルとの縁ができ、
イ・ムジチ合奏団の録音に際して予定された
プロデューサーが急病に倒れた際に代役を買って出て以来、
イ・ムジチの多数の録音のほか、
コリン・デイヴィス、小澤征爾、イタリア四重奏団などの
フィリップスの看板アーティストの録音を手掛けました。

指揮者・音楽学者としてはヴィヴァルディの
声楽曲の復活に尽力し、
フィリップスにも録音を残しています。

今回のSuper Audio CD ハイブリッド化に当たっては、
これまでのエソテリック企画同様、使用するマスターの選定から、
最終的なDSD マスタリングの行程に至るまで、
妥協を排した作業が行われています。

特にDSD マスタリングにあたっては、
DA コンバーターとルビジウムクロックジェネレーターに、
入念に調整されたエソテリック・ブランドの最高級機材を投入、
また同社のMEXCEL ケーブルを惜しげもなく使用することで、
貴重な音楽情報を余すところなくディスク化することができました。




「今日のバッハ演奏の一つの規範〜端正な表情をもち、直截で的確な表現」     
 
「シェリングのバッハは、
今日のバッハ演奏の一つの規範をなすものだが、
このレコ―ドはその代表的な名演盤といわなくてはならない。

きわめて端正な表情をもち、直截で的確な表現の演奏だが、
しかし冷やかになることなく、血の通った人間味豊かな演奏になっている。

バッハの音楽に寄せる敬虔で誠実な姿勢が
、こうしたふところの深い、しかも暖かな演奏を生み出すのだろう。

マリナー/アカデミーもきわめて生彩に富んだ、
緻密なアンサンブルの好演だ。」
(坂東清三、『レコード芸術別冊・クラシック・レコード・ブックVOL.3 協奏曲編』、1985 年)


「骨格の逞しい線の太い演奏で、表情に一層の深みが加わり、
バッハの音楽の持つ構成的な美しさと精神的な深さを余すところなく表現している。」
(志鳥栄八郎、『ONTOMO MOOK クラシック名盤大全・協奏曲編』、1998 年)


「シェリングのヴァイオリンはより厚み、
華やかさといった要素が増してきており、貫禄充分である。
こうした演奏できくバッハの音楽も、内容豊富でなかなかたのしい。

ここでは、加えてマリナー指揮アカデミーが充分に押し出しがよく、
それでいて過剰になることのない適切な伴奏を行なっていることも
指摘しておかなければなるまい。」
(吉井亜彦、『ONTOMO MOOK クラシック不滅の名盤1000』、2007 年)




■収録曲

ヨハン・セバスティアン・バッハ


ヴァイオリン協奏曲 第2番 ホ長調 BWV 1042

[1] 第1楽章:アレグロ

[2] 第2楽章:アダージョ

[3] 第3楽章:アレグロ・アッサイ


ヴァイオリン協奏曲 第1番 イ短調 BWV 1041

[4] 第1楽章:(アレグロ・モデラート)

[5] 第2楽章:アンダンテ

[6] 第3楽章:アレグロ・アッサイ


2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV 1043

[7] 第1楽章:ヴィヴァーチェ

[8] 第2楽章:ラルト、マ・ノン・トロッポ

[9] 第3楽章:アレグロ
[10] 管弦楽組曲 第3番 ニ長調 BWV 1068: 第2曲アリア



[演奏]

ヘンリック・シェリング(ヴァイオリン)

モーリス・アッソン(ヴァイオリン)〔BWV 1043〕

アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ

指揮: サー・ネヴィル・マリナー


[録音]
1976 年6 月23日〜25日、
ロンドン、ウォルサムストウ・アッセンブリー・ホール

[初出]9500 226(1977年)

[日本盤初出]X-7724 (1977 年7月)

[オリジナル・レコーディング]
[レコーディング・プロデューサー]ヴィットリオ・ネグリ

[レコーディング・エンジニア]コー・ヴィッテヴェーン

[Super Audio CD プロデューサー]大間知基彰(エソテリック株式会社)

[Super Audio CD リマスタリング・エンジニア]杉本一家
(ビクタークリエイティブメディア株式会社、マスタリングセンター)

[Super Audio CD オーサリング]藤田厚夫(有限会社エフ)

[解説]諸石幸生 志鳥栄八郎

[企画・販売]エソテリック株式会社

[企画・協力]東京電化株式会社