SACD ハイブリッド

若きアルゲリッチのパッションが爆発!

ショパンの真実に迫る

究極のピアニズムが刻み込まれた

アナログ時代の名盤、ついにハイブリッドディスク化。   

 
ショパン:

ピアノ・ソナタ 第2番≪葬送行進曲付き≫ /

第3番 /

アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ /

スケルツォ第2番

マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)  

 

価格:3,611円(税別)
ESSG-90172[SACD Hybrid]
DSD MASTERING
Super Audio CD層:2チャンネル・ステレオ[マルチなし]
美麗豪華・紙製デジパック・パッケージ使用

12月8日発売予定、予約受付中!



アルゲリッチ躍進と充実の20年間   

 

クラウディオ・アラウ、ネルソン・フレイレ、

ダニエル・バレンボイム、ブルーノ・レオナルド・ゲルバーなど、

南米出身の 名ピアニストは数多いですが、

その中でも最も奔放かつ情熱的な演奏で知られるのが

マルタ・アルゲリッチ( 1941.6.5 ブエノスアイレス生まれ)でしょう。

 

5歳から名教師スカラ ムッツァに学び、

8歳でモーツァルトとベートーヴェンの

ピアノ協奏曲を弾いてデビュー。

14 歳の時ヨーロッパにわたり、

グルダ、アスケナーゼ、ベネデッティ・ミケランジェリ、

マ ガロフら名だたる名ピアニストに学んでいます。

 

アルゲリッチの名がピアノ界にとどろいたのは 1957 年、

16歳でブゾーニとジュネーヴの

2つの国際コンクールで相次いで優勝を飾った時のこと。

それを受けて 1960 年には

名門 DG ( ドイツ・グラモフォン ) から

デビュー・アルバムを発表、

さら に 5年後の 1965 年、

第7回ショパン国際ピアノ・コンクールでの優勝は、

アルゲリッチの名と、

美しい黒髪をなびかせた鍵盤の巫女を思わせる容姿とを

一躍世界的なものにしたのでした。

 

 

ショパン・コンクール優勝後は

文字通り世界的な演奏活動を開始し、

DG の録音も活発化し、

リスト、シューマン、ショパン、ラヴェルらのピアノ曲、

あるいはアバド / ベルリン・フィル、

ロンドン響、デュトワ / ロイヤル・フィルらとの協奏曲を次々と録音し、

絶大な人気を博しました。

 

この 20 年間に録音された

ショパン・アルバムは (ピアノ協奏曲 2 曲を除き) 3 枚で、

当ディスクには 1974 年録音の「葬送ソナタ」、

「アンダンテ・スピア ナート華麗なるポロネーズ」、

「スケルツォ第 2 番」に、

1968 年のピアノ・ソナタ第 3番が

カップリングされています 。  





アルゲリッチといえばショパン     

 

アルゲリッチのDGへのデビュー盤は

1960 年に録音されたソロ・アルバムで、

既にここにはショパンの

「スケルツォ第 3 番」と「舟歌」が収録されており、

アルゲリッチのショパン作品への親和性を

証明して いるかのようでした。

 

1967 年 1月に録音された

DGへの 2 枚目のアルバムに

ショパン作品が選ばれたのは、

1965 年のショパン・コンクール優勝者としては自然なことで、

アルゲリッチの黒髪と

黒い衣装が弾き立つようなモノクロ写真を

ジャケットに使ったLPは

世界的なベストセラーとなりました。

 

このアルバムに収録されていたピアノ・ソナタ第 3番は、

凄まじい前進性に満ちた演奏で、

誰もがスピードを緩めることの多い

第 1楽章の第 2主題でも減速せず、

タッチのニュアンスを変化させることで

リリシズムを際立たせています。

 

一方で第 3楽章のラルゴでは

じっくりと沈潜した歌心で作品の本質を描き出し、

第 4 楽 章フィナーレでは再び圧倒的な前進性を持つ

苛烈な演奏で作品を締めくくっています。

 

その 7年後、 1974 年の録音された

 2 枚目のショパン・アルバムでの「葬送ソナタ」は、

ソナタ第 3番で表に出ていた 猪突猛進の突進性よりも

落ち着きのあるデリケートかつ多様なニュアンスに

彩られているのが印象に 残ります。

「華麗なるポロネーズ」で付けられた

天才的なまでのコントラストの見事さ、

そして「スケルツォ 第 2番」でのシャープな切れ味は、

この時期のアルゲリッチならではの冴えといえるでしょう。

 

 





ミュンヘンの2つの録音会場での名録音を

最高の状態でSuper Audio CDハイブリッド化      

 

録音は

1950 年代からミュンヘンの録音会場とし

DG が使ってきたレジデンツ内の

2 つのホールで行なわれました。

 

 1967 年の「ピアノ・ソナタ第 3番」が

録音されたプレーナーザールは、

バイエルン学士院 (科学アカデミー という訳語もあり)の

中の小ホールであり、

ミケランジェリ、アマデウス四重奏団など、

ピアノ・ソロや室内楽の録音に

使われることが多かった会場です。

 

一方 1974 年の録音で使われたのは

学士院に隣接するヘルクレスザール。

ここは優れた音響で知られる 1800 人以上を収容できる

典型的 なシューボックス形式のコンサートホールであり、

細部をマスクしすぎない適度な残響感、高域から低域まで

バランスのとれた響きの 2 点で録音には最適であり、

マウリツィオ・ポリーニも好んで

そのソロ録音をここで行なってきました。

 

いずれもライナー・ブロック(プロデューサー)と

ヘインツ・ヴィルトハーゲ ン(エンジニア)という

 1970 年代のDGの黄金コンビが手掛けた録音で

会場の特性を知り尽くした

安定感のあるバランスが聴きものです。

よりインティメートな空間を感じさせる

「ピアノ・ソナタ第 3 番」、

より開 放感のある 74 年録音の 3 曲ともに、

共通しているのはアルゲリッチのピアノの響きと

タッチのニュアンスが

絶妙な明晰度で捉えられている点。

 

アナログ時代の

DGの録音技術の確かさの証左といえるでしょう。

いずれも名盤だけにデジタル初期に CD 化されて以来、

オリジナルスでのリマスターのほか、

「ピアノ・ ソナタ第 3 番」に関しては

 2011 年にシングルレイヤーの

 Super Audio CD . SHM 仕様 として発売されてきました。

 

今回の

 Super Audio CD ハイブリッド 化に当たっては、

これまで同様、

使用するマスターテープの選定から、

最終的な DSD マスタリングの行程に至るまで、

妥協を排した作業が 行われています。

特に DSD マスタリングにあたっては、

 DA コンバーターとルビジウムクロックジェネレーター に、

入念に調整された ESOTERIC の最高級機材を投入、

また MEXCEL ケーブルを 惜しげもなく使用することで、

オリジナル・マ スターの持つ情報を余すところなく

ディスク化することができまし た。




アルゲリッチだけが聴かせうる

奔放にして華麗なる演奏家としての魅力が噴出      

 

「(ピアノ・ソナタ第 3 番は)アルゲリッチのレコードの中でも

最も初期の録音の一つだが、その演奏は

今も輝くばかりの魅力で聴き手をまことに快く魅了する。

特に、冴えわたった技巧と音を一瞬の緩みもなく活かし切った、

感興あふれる演奏が持つ生命力はまことに強く新鮮で、

全く間然とするところがな い。しかもその演奏は、

情熱のきらめきとともに元来の ものとしか言いようのない

見事な造形に裏打ちされており、

豊かな流れの中にショパンならではの美しい抒情を歌っている。」

(歌崎和彦、『レコード芸 術別冊 クラシック・レコード・ブック 器楽曲編』、 1986 年)

 

 

「変ロ短調ソナタは相対的に息を止めるような演奏で、

緩徐楽章すら普通より速いテンポで弾いているが、

彼女らしい激しさがまた何とも言えない魅力となっている。

スケルツォは華麗さと強烈さが一体となって融合し、

彼女のアートの最高峰を聴かせてくれる。

フィルアップの《アンダンテ・スピアナート》は リラックスした美しさと、

それに続く《グランド・ポロネーズ》の火花を散らすようなきらめきが、

素晴らしい コントラストをなしていて彼女のア ー トの魅力に引き込まれてしまう。」

(三浦淳史、『レコード芸術別冊 クラシック・レコード・ブック 器楽曲編』、 1986 年)

 

 

「ここには既にアルゲリッチだけが聴かせうる

奔放にして華麗なる演奏家としての魅力が噴出しており、

燃え盛る炎のような吸引力に圧倒されてしまう。

それは全曲がまるで刀の一振りにも似て料理される

 閃きと劇的集中力に溢れた演奏であり、

聴き手は冒頭の一音からどこへ行くのか見当もつかない

音のドラマの主人公となって波乱万丈の人生を生き抜く、

そんな試練にも似た経験をするのである。」

(諸石幸生、『クラシック不滅の名盤 800 』、 1997 年)

 

 

「この時彼女はまだ 26 歳。

しかしここで噴出している驚くべき魅力は、今なお特別な光を放っている。

抒情的な演奏、様式感のある演奏、ロマン的な演奏といった枠なんて

ここではもう何も関係がない。

ショパンのソナタ第 3 番という希有な曲があって、

アルゲリッチという希有なピアニストが現れたというだ け。

これを冷静に聴けというのは無理というもの。

ショパン演奏の 19 世紀からの系譜や、

現代の演奏のスタイルなどとも関係がない。

まさにアルゲリッチ流の演奏で、

聴く者はその中に引き入れられ、翻弄さ れるほかない。」

(堀内修、『 ONTOMO MOOK クラシック名盤大全・器楽曲編』、 1998 年)

 

 

  「ソナタ第 2 番で、第 1 、第 2 楽章を

いくぶん速めのテンポで弾いたアルゲリッチは、

しなやかな抑え の利いた演奏によって第 1楽章の〈葬送行進曲〉の

緊張感を高めるとともに、その表現を一層深めている。

奔放な情熱の閃く第 1 楽章の劇的な表現もすばらしいが、

この女流が持ち前の才気あふれる演奏に、

より柔軟な読みとコントロールを加えて、

その 成熟を強く印象付けた名演といってよいだろう。

しかも熱くスケールの大きな演奏は、

細部までしなやかな構成感によって裏打ちされ、

いかにもニュアン ス美しく、豊かな詩情を湛えている。」

(歌崎和彦、『 ONTOMO MOOK クラシック名盤大全・器楽曲編』、 1998 年)

 

 

「アルゲリッチの演奏が聴き手の心を

つかんで離さない魅力を湛えているのは、

むろんテクニックの 冴えを前提として、

またとない情熱の燃焼、あるいは

イマジネーションの飛翔を示して感動にまで導く からに違いない。

その意味から彼女のショパンは、

『女性の手により紡がれるシ ョパン』の通念をひっく り返して、

並みの男性では及びもつかぬほどのスケールの大きさ、

雄勁さをそなえたものになった。

第 2 番のソナタも、 1 曲のうちのドラマティックな性格と

リリカルな性格の双方を存分に生かしたふり幅豊か な名演。

第 3 番に関しては、

部分的にいわば落ち着きを欠く趣が気にならなくもないが、

やはり彼女な らではの演奏であることは確かだ。」

(濱田滋郎、『 ONTOMO MOOK クラシック不滅の名盤 1000 』、 2007 年 ) 


 



■収録曲

 

フレデリック・ショパン

 

ピアノ・ソナタ 第 2 番 変ロ短調 作品 35

[1] 第 1 楽章 グラーヴェ―ドッピオ・モヴィメント

[2] 第 2 楽章 スケルツォ

[3] 第 3 楽章 葬送行進曲:レント

 [4] 第 4 楽章 フィナーレ:プレスト

 

ピアノ・ソナタ 第 3 番 ロ短調 作品 58

[5] 第 1 楽章 アレグロ・マエストーソ

 [6] 第 2 楽章 スケルツォ:モルト・ヴィヴァーチェ

 [7] 第 3 楽章 ラルゴ

[8] 第 4 楽章 プレスト・マ・ノン・トロッポ

 

[9] アンダンテ・スピアナートと華麗なるポロネーズ 変ホ長調 作品 22

 

 [10] スケルツォ第 2 番 変ロ短調 作品 31

 

マルタ・アルゲリッチ (ピアノ)

 

[録音] 1967 年 1 月、ミュンヘン・ レジデンツ内バイエルン学士院、プレーナーザール( 5 - 8 )、

1974 年 7 月、ミュンヘン・ レジデンツ内ヘルクレスザール( 1 - 4,9,10 )

[初出] 5 - 8 : 139317 ( 1968 年)、 1 - 4,9,10 : 2530530 ( 1975 年)

[日本盤初出] 5 - 8 : SLGM1440 ( 1968 年 8 月)、 1 - 4,9,10 : MG2491 (1975 年 7 月 1 日 )

[オリジナル・レコーディング][エグゼクティヴ・プロデューサー]オットー・ゲルデス( 5 - 8 )

[プロデューサー]ライナー・ ブロッ ク

[バランス・エンジニア]ハインツ・ヴィルトハーゲン

[ Super Audio CD プロデューサー]大間知基彰(エソテリック株式会社)

 [ Super Audio CD リマスタリング・エンジニア] 杉本 一家

( JVC マスタリングセンター ( 代官山スタジオ ) )

 

[ Super Audio CD オーサリング]藤田厚夫(有限会社エフ)

[解説] 諸石幸生 藁科雅美

 [企画・販売]エソテリック株式会社

 [ 企画・協力 ] 東京電化株式会社