SACD ハイブリッド

仰ぎ見るような壮大さ!

バイエルン放送響の弦楽セクションから

暖かく重厚な響きを引き出す

名匠デイヴィスの手腕が刻印された名盤。

あの「ベートーヴェン序曲集」に匹敵する名録音、

ついにハイブリッドディスク化。   

 
チャイコフスキー/
ドヴォルザーク:

弦楽セレナード

コリン・デイヴィス(指揮)

バイエルン放送交響楽団

 

価格:3,972円(税込)
ESSD-90179[SACD Hybrid]
DSD MASTERING
Super Audio CD層:2チャンネル・ステレオ[マルチなし]
美麗豪華・紙製デジパック・パッケージ使用

SOLD OUT!



レコード・ファンにもお馴染のコリン・デイヴィス   

 

イギリスの指揮者

コリン・デイヴィス (1927.9.25-2013.4.14)といえば、

1960 年代のアナログ全盛期から

フィリップス・ レーベルの看板指揮者として、

ベルリ オーズのオペラ・声楽曲・管弦楽曲、

そ してモーツァルトのオペラの

高水準の録音を網羅的に手掛けたことで

日本の音楽ファンにもおなじみの存在でした。

 

イギリス人らしい気品と節度ある解釈と、

その雄弁な指揮ぶりに表されていたともいえる

燃えたぎる情熱の高揚とを

極めて高度な次元で併存させた演奏は、

ベルリ オーズの溢れんばかりの才気や古典と しての

モーツァルトの格調の高さを

ダイ レクトに伝えてくれるものでした。

 

グリュミ オーやヘブラーとの協奏曲録音での

巧 みな伴奏でも個性を発揮し、

1970 年代には首席客演指揮者を務めた

ボストン響(シューベルトのザ・グレイト、

シベリウスの交響曲全集、ムソ ルグスキー「展覧会の絵」)、

そして

アムステルダム・コンセルトヘボウ管

(ハイドン、ドヴォルザークの交響曲集、

ストラヴィンスキーの三大バレエ)との名盤を連発し、

レコード・ファンを大いに喜ばせたのでした。  





デイヴィス真の円熟を刻み込んだバイエルン放送響時代     

 

そんなコリン・デイヴィスが

1983年に56歳で

バイエルン放送交響楽団の

首席指揮者に就任した時、

それまでドイツのオーケストラとの

録音が少なかったこともあって、

周囲を驚かせつつも

大きな注目を集めることになりました。

クーベリックがこの地位を退任し、

その後任に予定されていた

キリル・コンドラシン も急逝したことで、

それまでこのオーケストラと

良好な関係を保っていたデイヴィスに

急遽白羽の矢が 立てられることになったのです。

 

そしてデイヴィスが

文字通り真の円熟期を迎えるのが

このバイエルン放送響時代でもありました。

 

フィリップス・レーベルへの録音は継続しながらも、

新興のドイツORFEO のほか、

CBS とRCA というアメリカの

老舗名門レーベルとの契約も結び、

シンフォニーからオペラにいたるまで、

それまでのデイヴィスが

録音してこなかった曲目を中心に、

極めて充実したディスコグラフィを築き上げることになりました

(並行してドレスデン・シュターツカペレ、

ロンドン交響楽団との録音も行なわれました)。

 

デイヴィスの音楽作りも著しく深みを増し、

陰影を加え、そして何よりも際立ったのは、

 ドイツ人の指揮者以上に遅く重厚なテンポと厚みのある響きで

作品をスケール大きく構築していく手腕でした。

バイエルン放送響も、

クーベリック時代には聴かれなかった、

熟した濃密な響きを獲得し、

クレ ンペラーの雄大さと

ボールトのノーブルさが

綯い交ぜになったようなその演奏は、

まさに

巨匠コリン・デイヴィスの到来を告げるものでした。

 

 





あの名録音「ベートーヴェン:序曲集」と同一スタッフによる録音      

 

デイヴィスとバイエルン放送響の録音といえば、

1985 年録音の「ベートーヴェン:序曲集」が

日本の オーディオファイル・ファンの

レファレンス・ディスクとして高く評価されていますが、

この「チャイコフスキー&ドヴォルザーク:弦楽セレナード」は

その翌年と翌々年に、全く同じ会場

(このアルバムにクレジットはないものの、

ヘルクレスザールと思われます)、

録音スタッフ(ヴォルフラウム・グラウル、

マル ティン・ヴェーア)で収録されたものです。

 

このころの

バイエルン放送響のさまざまな録音が、

レーベル は違えども、

ほぼ同一の優れたサウンドとイメージを保持しているのは、

録音自体がバイエルン放送局との

共同制作で行なわれたため、

録音に携わったスタッフが録音会場の音響特性や

オーケストラの響きを知り尽くした

放送局のプロデューサーとエンジニアだったことが

大きな要因といえるでしょう。

 

プロデューサーのヴォルフラウム・グラウルは

1951 年ライプツィヒ生まれで、

1978 年から2014 年までバイエルン放送局の

音楽プロデューサーを務めていました。

 

ベルリン芸術大学で

トーンマイスターのみならず指揮も学び、

現在では指揮者としても活動している才人で、

同放送局の名プロデューサーとして著名な

ヴィルヘルム・マイスターらと並び

多数の録音をプロデュースしています

(放送局の枠外のプロデュースも多数手掛けています)。

 

マルティン・ヴェーアも

同放送局のエンジニアとして

バイロイト音楽祭の

バイエルン放送交響楽団の

生中継などを手掛け幅広く活躍していたエンジニアです。

 

 

 

 



最高の状態でのSuper Audio CD ハイブリッド化が実現      

 

録音は1950 年代から

ミュンヘンの録音会場として使われ、

その優れた音響で知られる

ヘルクレスザールで行なわれました。

 

1986 年に

 ガスタイク・フィルハーモニーが出来るまでは

バイエルン放送響の定期演奏会も

すべてこ こで開催されており、

フィルハーモニーに

メイ ンの演奏会場を移した現在でも

同響はこの ホールでのコンサート・シリーズを開催しています。

 

1,800 人以上を収容できる典型的な

シューボックス形式のホールで、

細部をマスクしすぎない適度な残響感、

高域から低域までバランスのとれた響きの2点で、

録音には 最適であり、このアルバムでも、

デイヴィスが バイエルン放送響から紡ぎ出す厚みのある

弦楽合奏のぬくもりや質感の高さが

潤いのある響きとともに見事に捉えられています。

 

音楽の流れが 決して途切れず、

また決して刺激的にならない、

文字通り「完熟」のサウンドが、心技一体となった

この コンビの蜜月ぶりを伝えています。

 

もともとデジタル収録であったため、

初出以来一度もリマスターは行なわれることがなく、

今回のSuper Audio CD ハイブリッド化が

ほぼ30 年ぶりのリマスターとなります。

 

Super Audio CD ハイブリッド化に当たっては、

これまで同様、使用するマスターテープの選定から、

最終的なDSD マスタリングの行程に至るまで、

妥協を排した作業が行われています。

特にDSD マスタ リングにあたっては、

DA コンバーターとルビジウムクロックジェネレーターに、

入念に調整された ESOTERIC の最高級機材を投入、

またMEXCEL ケーブルを惜しげもなく使用することで、

オリジナル・ マスターの持つ情報を余すところなく

ディスク化することができました。

 

 



■収録曲

 

ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー

弦楽セレナード ハ長調 作品48

 [1] 第1 楽章 ソナチネ形式の小品 アンダンテ・ノン・トロッポーアレグロ・モデラート

[2] 第2 楽章 ワルツ モデラート(テンポ・ディ・ヴァルス)

[3] 第3 楽章 エレジー ラルゲット・エレジアーコ

[4] 第4 楽章 フィナーレ(ロシアの主題) アンダンテーアレグロ・コン・スピリート

 

アントニン・ドヴォルザーク

弦楽セレナード ホ長調 作品22

 [5] 第1 楽章 モデラート

 [6] 第2 楽章 テンポ・ディ・ヴァルス

 [7] 第3 楽章 スケルツォ(ヴィヴァーチェ)

 [8] 第4 楽章 ラルゲット

 [9] 第5 楽章 フィナーレ アレグロ・ヴィヴァーチェ

 

バイエルン放送交響楽団

指揮:サー・コリン・デイヴィス

 

 [録音]1986 年10 月15 日〜16 日(1-4)、

1987 年1 月5 日〜8 日(5-9)、ミュンヘン

[初出]422 031-2 (1988 年)

[日本盤初出]32CD811(1988 年4 月25 日)

 

[オリジナル・レコーディング]

[プロデューサー]ヴォルフラウム・グラウル

 [バランス・エンジニア]マルティン・ヴェーア

 

 [Super Audio CD プロデューサー]大間知基彰(エソテリック株式会社)

 [Super Audio CD リマスタリング・エンジニア]杉本一家

(JVC マスタリングセンター(代官山スタジオ))

[Super Audio CD オーサリング]藤田厚夫(有限会社エフ)

[解説]諸石幸生 歌崎和彦

[企画・販売]エソテリック株式会社

 [企画・協力]東京電化株式会社