XDシリーズ

2017年、英国ハーベスは創立40周年を記念する

「アニバーサリー・シリーズ」を発表、数々の名作を世に送ってきた

スピーカーづくりのノウハウとテクノロジーの粋を結集しました。

 

とはいえ、たゆむことなくスピーカーの理想形を探求してきたその歩みは、

そこで止まるはずもなく、その後も、蓄積された技術と感性を

磨き上げることに多くの時間を費やしてきました。

 

とりわけ力を入れたのは、テストと測定設備の充実を図り、

さながら顕微鏡を覗くようにスピーカーのパフォーマンスを観察すること。

それによって、かつては見えていなかった、理想の水準からの

わずかな差異が見えてきたのです。

 

 

そこでハーベスは、中・低域ドライバー・ユニットに採用してきた

独自のコンポジット・コーン・ダイアフラムRADIAL2について、

ポリマー材の調合から成型、仕上げに至るまで厳密な再検討を加え、

最新世代として大きく進化させました。

 

さらに、そのポテンシャルを最大限に活かしつつ、

ドライバーユニットの完璧な連携を図るべく、クロスオーバー回路の

根本的な再設計にも着手しました。

抵抗やコイル、キャパシターなどの主要パーツを

ハーベス仕様のカスタムメイドとし、試聴とチューニングを繰り返しながら、

周波数特性の微細な凹凸をもならしていくことで、

理想とするパフォーマンスからの差異を、一つずつ丁寧に修整していきました。

 

その過程で明確になってきたのは、構成やエンクロージャー構造などに

大きな変更を加えることなく、これまでのラインナップを

さらに新たな高みへと押し上げられる可能性でした。

こうした、忍耐強く時間をかけて重ねられた小さな研鑽がもたらした

大きな成果、これがXDシリーズ各モデル共通の特徴となっています。

 

XDが意味するのは、「eXtended Definition」

すなわち、分解能、解像度の大幅な向上。

スピーカーの挙動に関する最新の知見を鮮烈な音楽体験に結実させる、

ハーベスからのまったく新しい意味が、この名称に込められています。

 

ハーベスならではの透明で明瞭なサウンドをつくり出しているのは、

独自の RADIAL コーン・テクノロジー。

(Research And Development Into Advanced Loudspeaker)

 

そのダイアフラムの鏡面のような仕上げは、

ハーベスの洗練された金型技術によって、

液体ポリマーが滑らかに成型されたものであることを物語っています。

 

ポリマー素材には無数の選択肢があり、それぞれに特質がありますが、

ハーベスは、その中からナチュラルなサウンドを生み出す3つの種類を厳選しました。

 

可聴帯域全体にわたって最適な機械的・音響的な特性が得られるよう、

それらを最適な割合で調合する、その素材科学ことが、

ハーベスの音を比類ないものにしているのです。

 

 

 


HL-Compact7ES-3 XD


希望小売価格: 374,000円(1本/税込)

 

専用スタンド 「HSS-7C」

 (幅271 x 高さ430 x 奥行310mm)

希望小売価格: 79,200(2台1組/税込)

 

 

2ウェイ・スピーカーシステムの表現力を極限まで追求し、

あたたかく緻密なハーベスならではの音で世界を魅了してきたHL-Compact7ES-3も、

XDシリーズのコンセプトに基づいて再定義され、HL-Compact7ES-3 XDとして新生を果たしました。

高域に25mm口径アルミニウム・ハードドーム、

中低域に200mm口径RADIAL2コンポジットコーン型ドライバーユニットという伝統の構成ながら、

RADIALテクノロジー最新世代と、新規設計クロスオーバー回路の導入によって、

HL-Compact7ES-3が持っていた豊かな表現力は、ハーベス史上かつてない領域へ達しています。

 

低域から中域、高域に至る驚くべき一体感。

スピーカーの存在を忘れさせ、音楽の世界だけを立ち上がらせる、圧倒的な音のクオリティー。

HL-Compact7ES-3 XDの生命感あふれる濃密なリアリティーと立体感に富む音場は、

XDシリーズにおいて初めて到達しえた、新たな次元です。

木材の響きを活かした絶妙なエンクロージャーチューニングをはじめとする、

ハーベスならではの感性的アプローチ、そして、たゆまず継続される、

音楽再現性の理想に向けた科学的アプローチ。

その2つはXDシリーズにおいてごく自然に融合しています。

 

型式:2ウェイ2スピーカー フロント・バスレフ型 

ドライバー・ユニット  

中・低域:200mm RADIAL2 コンポジット・コーン型  

高域:25mm カスタムメイド・

フェロフルードクールド・アルミニウム・ハードドーム型 “Open Weave”グリル装着

クロスオーバー周波数:3.3 kHz (18dB/oct)

周波数特性: 45Hz〜20kHz(±3dB)

インピーダンス:6Ω

 出力音圧レベル:86 dB/W/m

寸法:幅 271 x 高さ 520 x 奥行 310 mm(最大331mm)

重量:13.2 kg

入力端子:バナナ・プラグ対応シングル接続

仕上げ:チェリー

 

 

 

 


HL-P3ESR XD


希望小売価格: 264,000円(1本/税込)

 

2ウェイ密閉型ブックシェルフ・システムにおいて

サイズを超えたスケール感を実現し、

群を抜くパフォーマンスが世界中で高く評価されてきたHL-P3ESRも

「XDシリーズ」のコンセプトに基づいて新たに生まれ変わりました。

 

19mm口径アルミニウム・ハードドーム、

110mm口径RADIAL2コンポジット・コーン型ドライバーユニットという伝統の構成を守りつつ

RADIALテクノロジーの最新世代と、新規設計クロスオーバー回路によって、

低域から中域、高域に至る音の一体感を向上、歯切れの良い低域再現性と

透明な高域再現性に磨きをかけ、分解能と力感の向上という新たなクオリティーを得て、

驚くべき音楽性、サイズをはるかに超えたスケール感を実現した、

 ハーベスの自信作となりました。

 

 

型式: 2ウェイ2スピーカー 密閉型

 

ドライバー・ユニット  

中・低域:110mm RADIAL2 コンポジット・コーン型  

高域:19mm口径 カスタムメイド・

フェロフルード クールド・アルミニウム・ハードドーム型

“Open Weave”グリル装着

 

クロスオーバー周波数:3.8 kHz (18 dB/oct)

インピーダンス:6Ω

出力音圧レベル:83.5 dB/W/m 

寸法 :幅 190 x 高さ 306 x 奥行 184 mm(最大200mm)

重量:6.1 kg

入力端子:バナナ・プラグ対応シングル接続 

仕上げ:チェリー

 

 

 

 

 

 


Super HL5 plus XD

希望小売価格: 495,000円(1本/税込)

 

専用スタンド 「HSS-5」

 (幅322 x 高さ390 x 奥行300mm)

希望小売価格: 79,200(2台1組/税込)

 

ハーベス独自の200mm口径RADIALテクノロジーを極限まで突き詰めて、

今日最先端の低域・中域ドライバーを実現することに成功しています。

そのスケールの雄大さ、一体感、表現力、音楽性は、

このクラス最高のコストパフォーマンス。

何度でも繰り返したくなる音楽体験をもたらしてくれます。

 

型式: 3ウェイ3スピーカー  フロント・バスレフ型 

ドライバー・ユニット  

中・低域:200mm口径“RADIAL 2”コンポジット・コーン型  

高域: 25mm カスタムメイド・フェロフルードクールド・ アルミニウム・ハードドーム型

“Open Weave”グリル装着

超高域 20mm口径 カスタムメイド・チタニウム・ハード  ドーム型 保護バー付き

 

クロスオーバー周波数: 3.5kHz、12kHz (18 dB /oct.)

周波数特性: 40Hz〜20kHz(±3dB)

インピーダンス:6Ω

出力音圧レベル:86 dB/W/m

寸法: 幅322 x 高さ635 x奥行300mm(奥行最大321mm)

重量:15.8 kg

入力端子:バナナ・プラグ対応シングル接続

 仕上げ:チェリー

 

 

 

 

 

 

 


 
Super HL5 Plus

 

生産完了



1987年、ハーベスの未来を託された
アラン・ショーは、自らの理想を形にした「HL5」を発表。

アルミニウム・ハード・ドーム・ツイーター等の斬新なアプローチをもって
ハーベスの新時代を拓きました。

2004年、HL5は、チタニウム・ハード・ドームの
スーパーツイーターを加えた3ウェイ「Super HL5」に生まれ変わり、
彼が90年代から開発を進めて来た中・低域コーン「RADIAL(TM)」と相俟って
ハーベスならではの端正な音のクオリティーに分解能と力感という新しい価値を付加しました。





そして2015年、ハーベスは、
この完成されたフラッグシップの力を、
さらなる高みに引き上げうる可能性に気付きます。
モデル・チェンジを繰り返さず、テクノロジーの流行も追わないハーベスが
そう決断した以上、そこにはもちろん相応の必然性がありました。

それは、ハーベスがこれまで重ねてきた技術的研鑽の成果、
その大きさを世に問う事。そして、Super HL5の美点をそのままに敢えて重ねた幾多の
技術的再検討は、まさに新生とも言える顕著なパフォーマンスの向上をもたらしました。




こうして誕生したのが、「Super HL5 Plus」

それは、文字通りこれまでのハーベスの世界に
新たな次元をプラスした未踏の領域です。

RADIAL2 の進化がもたらした、俊敏なパフォーマンス
 
 あたたかくウェル・バランスな「ハーベス・ハウス・サウンド」に
磨きをかけてきたハーベスが、Super HL5 Plus の音づくりで特に
重視したのは、無響室での理論的なレスポンスではなく、
リアルなリスニング・ルームでの「インルーム・レスポンス」。

それは、「コンサート・ホールの音響をリスニング・ルームへ」という、
ハーベスが常に意識してきたテーマでもあります。
荘厳なオーケストレーションからアップテンポの楽音まで柔軟に奏でうる
度量と、音のディテールをつぶさに表現できるデリカシーを兼ねそなえ、
音楽の実像に迫る新しいパフォーマンスを究める。

 そのためにハーベスがまず見直したのは、音楽にとって
最も重要な、中・低域です。

この帯域を担う、200mm口径ドライバー・ユニットのダイアフラムは、
ハーベスが独自に開発した「RADIAL2」。


ポリプロピレンとアルミニウムのコンポジット・コーンで、
中心から周辺にかけて素材の配合量を微妙に変化させることで
表面の分割振動など音質阻害要因を低減、かつ明瞭な再現性の実現に必要不可欠なダイアフラムの堅牢性と軽量性を両立した、
ハーベスのキー・テクノロジーです。

Super HL5 Plusでは、ソフトウェア・モデリングによる音の広がり感や、
耐入力などの再検討を経て最適のレスポンスとバランスを獲得、
全可聴帯域におけるスムーズな、ピストン・モーションによってナチュラルな音質を実現しています。柔らかく伸縮性に富むエッジは、ピストン・モーションの大小に関わりなく音の歪みを最小限に抑え、特に大入力時のリニアリティー向上を達成。

なめらかでスケール感豊かな再現性と、刻々変化する音のエネルギーに追随する俊敏で余裕あふれるパフォーマンスを発揮します。


高域ドライバー・ユニットは、カスタムメイドの
25mm口径アルミニウム・ハード・ドーム。 

ハーベス伝統のフェロフルード・クーリングによって優れた耐入力を
獲得しており、ロー・レベルでも音の透明感と精度を失うことなく、
澄明にしてエネルギー感に満ちた高域再生を実現します。


これを補完するのは、カスタムメイドのチタニウム・ハード・ドーム。

長時間のリスニングでも聴き疲れすることのないナチュラルでスムーズな再現性に、プロユース・モデルの開発で培われたハーベスの力感を感じて頂けます。



新規設計に近い再検討を徹底したクロスオーバーネットワーク。
 
 これら素材の異なるドライバー・ユニットそれぞれのエネルギー・バランスを精妙にコントロールする上で、とりわけ重要になるのがクロスオーバー・ネットワークの役割。


 ハーベスでは、コンピューター設計を踏まえ、一貫して
コンピューター・グレードのプリント基板を使用して厳選のパーツを最適に配置、手作業で組み上げてきましたが、Super HL5 Plusでは、最新の音響シミュレーション・ソフトをフル活用、主要パーツの素材や値を見直し、
OFC配線材を使用するなど、細部に至るまで、
ほぼ新規設計に近い徹底的な再検討と試聴を行いました。



最も時間をかけて練り直された、このクロスオーバーネットワークこそは、
Super HL5 Plus 最大のキー・ポイント。各帯域のシームレスで高精度なブレンディング、低域ダンピングのきいた目の覚めるような中低域、
そして際立ってフラットな周波数特性という成果こそは、
その完成度の証です。


木材を活かし、かつ制御する絶妙のエンクロージャー設計。
 
 楽器を組み上げるかのように、木材の特性を活かしつつ絶妙の
ダンプニングによって振動を制御、音が呼吸するかのような、
あたたかくナチュラルなスピーカー・パフォーマンスを引き出す繊細な
エンクロージャー・チューニング。それは、ハーベスのホールマークとも
言える技術です。


特に近年は、ビチューメン(瀝青)シートや、
内部ブレーシング(内部補強桟)、吸音材、
バッフルのネジ留めによるメカニカル・ダンピングなど
様々な手法を組み合わせて、ごく薄い木材のエンクロージャーの挙動を
整えていく「Super Tuned Structure(TM)」を進化させてきましたが、
Super HL5 Plusでは、これにさらなる磨きをかけています。

 特に、エンクロージャー内部背面には、これまでのほぼ倍量の吸音材を使用、低域における音波吸収性に引き出しながらもタイトに引き締める、絶妙のチューニングを施しました。

併せてバスレフ・ポートにも入念なダンピング処理を施し、
最低共振周波数付近の共振の影響を低減するよう精密にチューニング。

ハーベスの新たなフラッグシップにふさわしい、クオリティーを目指し、
エンクロージャー設計全体を、新たな視点で見直しています。


●型式:3ウェイ フロント・バスレフ型

●使用ユニット:
    中・低域:200mm口径 RADIAL2
        コンポジット・コーン型
   
  高域:25mm口径 カスタムメイド
           フェロフルード・クルード・アルミニウム 
     ハード・ドーム型 

  超高域:20mm口径 カスタムメイド
      チタニウム・ハード・ドーム型

●クロスオーバー周波数:3.5kHz、12kHz

●周波数特性:40Hz〜20kHz(±3dB)

●インピーダンス:6Ω

●最大入力:150W

●出力音圧レベル:86dB(w/m)

●寸法:322(W)×635(H)×300(D)mm

●重量:15.8kg

●入力端子:バナナプラグ対応、
         バイワイヤリング接続可能

●仕上げ:チェリー

※仕様は、性能向上の為、予告なく変更することがあります。











Monitor 30.1

生産完了

 

長年の経験から磨かれた技術によって
精度と分解能をいっそうブラッシュアップされ、
スタジオモニターとして
リファインメントを施されたモデル。


チューニング技術に磨きをかけたバスレフ・エンクロージャー
 
 緻密な木材ダンプニングと応答性のチューニングを踏まえ、エンクロージャーにおける音のふるまいをコンピューターで徹底的に解析して生み出された独自のエンクロージャー設計「Super Tuned Structure TM」を適用。

 ビチューメンとブレーシングを効果的に配置し、絶妙にダンプニングして音色を整えています。新たにリアバッフルをフロントバッフル同様ネジ留めしたメカニカル・ダンピングと連動、素材の響きを活かしながら制御する絶妙なチューニングをしています。


 バスレフ・ポートも再度チューニングを施し、内部吸音材の量なども改めて最適化。弾力に富むナチュラルな中・低域の再現を可能にしています。また、バッフル端での音波回折を抑えるラウンド・バッフルやジャージ素材のグリルをフロント・バッフルに埋め込むことで音波伝播の最適化を図る「Super Grille TM」も音場の一体感創成に大きく貢献しています。


緻密な中・低域再生を実現するドライバーユニット設計
 
 中・低域ドライバー・ユニットにはハーベスが独自に開発した「RADIAL2」ダイアフラムを採用、200mm口径としています。

 「RADIAL2」はポリプロピレンにアルミニウムを配合、その割合を最適にコントロールして軽量性と堅牢性を両立し、周辺にかけて配合量を微妙に変化させることで分割振動など音質阻害要因を低減するコンポジット・コーン。伸縮性に富むエッジの歪を最小限に抑え、大入力時のリニアリティーにも優れています。



 高域は、ノルウェーSEAS社製のカスタムメイド 25mm口径ソフトドーム「EXCEL imp」。ローレベルでも音の透明感と精度を失うことなく、
エネルギー感に満ち、かつ長時間のリスニングで聴き疲れしないという、
プロユース・モニターならではの再現性が魅力です。

 前面には独自の「Open Weave」グリルを装着し、
効率的で自然な音波拡散を実現しています。


大型クロスオーバーネットワーク
 
 ハーベスならではの精妙な2ウェイ・バランスの鍵を握るクロスオーバーネットワークは、最新のコンピューター設計システムを使用してリデザインされ、より大型のプリント基板に厳選のパーツを最適にレイアウト、シールディングを施した上で手作業により組み上げられています。

また、入力端子はシンプルなシングル仕様となっています。



●型式:2ウェイ 2スピーカー、バスレフ型

●使用ユニット:
    中・低域:200mm口径RADIAL2
        コンポジット・コーン型
    高域:25mm口径カスタムメイド
            ソフト・ドーム型 SEAS 「EXCEL imp」
      OPEN WEAVE グリル装着

●クロスオーバー周波数:2.8kHz(18dB/oct.)

●周波数特性:50Hz〜20kHz(±3dB)

●インピーダンス:6Ω

●最大入力:150W

●出力音圧レベル:85dB(w/m)

●寸法:280(W)×461(H)×291(D)mm

●重量:13.4kg

●入力端子:バナナプラグ対応シングル接続

●仕上げ:チェリー





















HL-P3ESR

生産完了

RADIAL 2 採用の新設計110mm 中・低域ドライバーユニット

 HL-P3ESRのRは、中・低域コーン用ダイアフラム素材であるRADIAL 2の頭文字です。ハーベスでは、ポリプロピレンにアルミニウムを配合、その割合を最適にコントロールすることで軽量性と堅牢性を両立する一方、中心から周辺にかけて配合量を微妙に変化させて、表面の分割振動などの諸問題を低減する独自のダイアフラム RADIAL を設計・開発し、 Super HL5、HL Compact 7ES-2に採用してきました。

 2006年、ハーベスはこのRADIAL にブラッシュアップを施した RADIAL 2 を HL Compact 7ES-2に採用しました。

その性能を最大限に引き出す為、柔らかく伸縮性に富んだエッジをマウント、ピストンモーションが大きくなっても音の歪を招くことなく、よりフラットでナチュラルなパフォーマンスが可能になっており、特に大パワー入力時のリニアリティーには目を見張るものがあります。

これによりエッジからボイスコイルに戻る反射が低減され、高域再現がスムーズになる一方、中域の再現もより緻密になっています。

 HL-P3ESRでは、110mm口径の中・低域コーンにこのRADIAL 2 を採用、その豊かな音圧、驚くほどの精度、力感ゆえに、まさしくHL-P3ESRの心臓部となっています。高域にはこれまでのHL-P3シリーズに採用されてきた19mm口径アルミニウムドーム・ツイーターを使用。

Open Weaveグリルを装着して音波の効率的な拡散を図り、澄明な高域再生を実現します。

新たに図面から描き起こした大型クロスオーバーネットワーク

 新開発の中・低域コーンとツイーターをシームレスに結ぶためにハーベスは、 HL-P3ESR用としてクロスオーバー・ネットワークの図面を新たに描きおこし、パーツ類についても HL Compact 7ES-3等に採用されたものを中心に徹底的な試聴を経て厳選した上で、手作業で組み上げています。

これまでより25%程大型化したプリント基板は銅部分の面積も拡大、より多くのパワーをユニットに送り込むことができます。

 実装されたパーツ類は、振動要素の影響を受けないよう入念にシールディングされ基板の取り付け位置も細心に配慮、2ウェイシステムならではの絶妙な帯域バランスの創成に成功しています。また、入力端子はシンプルな2端子仕様としました。


円熟の域に達したエンクロージャーチューニング技術
 
 エンクロージャーのチューニングに関しては比類なきテクニックを誇るハーベス。あたかも楽器を組み上げるかのようなその繊細な技巧は、この新しいドライバーユニット構成の真価を抽き出すためにますます磨き上げられています。

 HL-P3ESRではハーベス独自の Super Tuned Structure を採用。従来のブレーシング素材にかえてビチューメン(瀝青)シートでダンプニングする手法によってエンクロージャーの振動をコントロールしており、新たにリアバッフルをフロントバッフル同様ネジ留めとしたメカニカルダンピング構造と相俟って、エンクロージャーの響きを活かしながら制振する絶妙な音響制御に成功しています。



●型式:2ウェイ 2スピーカー、密閉型

●使用ユニット:
    中・低域:110mm口径RADIAL2 ハイブリッド・コーン型
    高域:19mm口径カスタムメイドフェロクールド・
            アルミニウム・ハード・ドーム型OPEN WEAVE グリル装着

●クロスオーバー周波数:3.8kHz(18dB/oct.)

●周波数特性:75Hz〜20kHz(±3dB)

●インピーダンス:6Ω

●最大入力:50W

●出力音圧レベル:83.5dB(w/m)

●寸法:189(W)×306(H)×202(D)mm

●重量:6.3kg

●入力端子:バナナプラグ対応シングル接続

●仕上げ:チェリー